2019 Fiscal Year Research-status Report
エクソソームの細胞特異性を利用した新規放射線増感剤の開発
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18K07676
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
犬伏 祥子 (カリヤ) 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (60585959)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 良平 神戸大学, 医学部附属病院, 教授 (30346267)
宮脇 大輔 神戸大学, 医学部附属病院, 特命講師 (30546502)
吉田 賢史 神戸大学, 医学部附属病院, 特命准教授 (80351906)
下野 洋平 藤田医科大学, 医学部, 教授 (90594630)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | エクソソーム / 放射線 / miRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで放射線照射後に分泌したエクソソームおよび未照射細胞由来エクソソームの網羅的miRNA解析の比較を実施し、いくつかの候補遺伝子の抽出を行った。 膵がん細胞株であるMiaPaCa-2細胞由来の0Gy-exo、5Gy-Exoおよび8Gy-Exo内のmiRNAアレイ解析の結果から、放射線照射によって分泌されたエクソソーム中の24個のmiRNA量が異なることが明らかとなった。また子宮頸部腺癌細胞で由来の0Gy-Exo、5Gy-Exo、8Gy-Exoでは9個のmiRNAの量が異なっていた。2つの細胞種における放射線照射後に分泌されるエクソソームのmiRNAの比較を実施したところ、放射線照特有の現象がみられる共通miRNAは明らかならなかった。が傾向が近いmiRNAがいくつか明らかになったため、今後このmiRNAについてさらに詳細な解析を実施する。 次に、MiaPaCa-2細胞エクソソームのショットガンアレイを実施した際の結果から、0Gy-Exoのみで発現しているタンパク質が46個(そのうち、すでにメンブレン特融のタンパク質が21個、エクソソームで報告があるタンパク質19個)の5Gy-Exoのみで発現しているタンパクが120個(そのうち、すでにメンブレン特融のタンパク質が85個、エクソソームで報告があるタンパク質71個)あることがわかった。今後さらに、miRNA アレイの結果とショットガンアレイの結果について相互解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
詳細な解析まで実施する予定であったが、網羅的解析に手間取ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
miRNAアレイ解析とプロテオミクス解析の結果を元に、関連する経路の特定を実施し、放射線照射によって分泌されるエクソソームの役割と、放射線増感剤になりうる分子の特定を実施する。
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Causes of Carryover |
解析に時間を要したため、実験に使用する予定だった物品の購入が少なかった。予定していた実験に関しては次年度に実施する。
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