2021 Fiscal Year Annual Research Report
PETを用いた変時性不全における心臓交感神経pre-synapse機能の研究
Project/Area Number |
18K07686
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
後藤 利彦 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (50596905)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 変時性不全 / PET / 交感神経 / 心臓交感神経 / 心臓交感神経β受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究「PETを用いた変時性不全における心臓交感神経pre-synapse機能の研究」において、C-11 hydroxyephedrine(HED)PETを用いて、変時性不全症例のpresynapse機能を定量評価した。Presynapse機能の定量評価には、HED心筋滞留率(HED-RI)を用いた。これは、トレーサー(C-11 HED)投与後30分から40分までの間の関心領域(ROI)内放射活性積分値の左室腔内中央に設定した小ROIにおける放射活性積分値に対する比率で算出される。これまで心不全症例においてはHED-RIの低下が報告されており、心臓交感神経終末におけるカテコラミンの保持に障害が生じていることを意味している。本研究においては、健常者6例と変時性不全例9例、合計15例においてPET検査を施行した。変時性不全群においてHED-RIは、健常者群と比較し有意に高値を示していた(変時性不全 vs 健常者; 13.8±3.0 vs. 8.5±3.9%/min, p = 0.01)。本研究の結果は、変時性不全においては心臓交感神経終末において適切なカテコラミン放出が行えないことを示唆しており、このことが変時性不全のメカニズムの一端に関与していることが推察された。
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