2018 Fiscal Year Research-status Report
高分解能CTAによる頭蓋内細動脈の描出能評価:高精細CTを用いた検討
Project/Area Number |
18K07694
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
村山 和宏 藤田医科大学, 医学部, 講師 (40622931)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
外山 宏 藤田医科大学, 医学部, 教授 (90247643)
中原 一郎 藤田医科大学, 医学部, 教授 (80252451)
小田 淳平 藤田医科大学, 医学部, 講師 (30630040)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 高精細CT / CT angiography |
Outline of Annual Research Achievements |
基底核近傍の脳腫瘍術前や、中大脳動脈付近の脳動脈瘤に対するコイル塞栓術、クリッピング術前において、穿通枝の分岐部や走行を把握することは術後合併症を低減するために重要である。これらの細動脈の評価を行うには血管造影を用いることが現在一般的であるが、侵襲的検査法のため合併症のリスクがあり、低侵襲な手法での細動脈の評価法が望まれていた。CTを用いた血管評価(CT angiography: CTA)は低侵襲な手法として用いられているが、従来型CT装置によるCTAの空間分解能では臨床的に重要な穿通枝や分枝末梢の細動脈の描出は難しかった。 世界で初めての0.25mm検出器を搭載した高精細CT装置は、0.5mm検出器の従来型検出器CT装置と比較し1/4の面内サイズの検出器を有しており、空間分解能の向上と部分容積効果の低減により従来型CTでは検出の難しかった細かい構造の描出が可能であると予測される。そこで我々はこの高精細CTを用いた高分解能CTAにて、脳外科的に重要となる眼動脈、前脈絡動脈、視床穿通動脈、中大脳動脈穿通枝の描出能を評価した。その結果、従来型CTと比べ高精細CTで有意に細動脈の描出能が改善されることを確認した。高精細CTを用いた高分解能CTAによる中大脳動脈穿通枝領域における画質評価に関する検討では、従来型CTと比べ高精細CTで有意に中大脳動脈穿通枝の描出能が改善されることを確認した。さらにこれらの研究の発展系として高精細CTを用いた静脈系の描出能に関する検討では、細かな静脈の描出能においても有意に改善されることが明らかとなった。今回の我々の結果により、脳外科領域で臨床的に重要な細動脈及び静脈系における高精細CTを用いた高分解能CTAの有用性が示されたと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
国内の全国学会、国際学会での研究成果の発表、論文採択が得られたため。
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Strategy for Future Research Activity |
細動脈の描出能の評価については、定量的評価の追加を試みている。この論文化を目指す。 また、静脈系の描出能についても優れている可能性があるため、これらについても解析を進める。
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Causes of Carryover |
年度末の国際学会出張において、共同研究者の旅費の支出が不要となったため、その分の費用が次年度に繰り越しとなった。
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