2018 Fiscal Year Research-status Report
アルファ核種標識RGDを用いた難治性膵癌に対するペプチド受容体放射性核種療法
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18K07698
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
吉本 光喜 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 主任研究員 (00345638)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 膵癌 / 核医学治療 / アルファ線 / アクチニウム |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、ペプチド受容体放射性核種療法(PRRT)が、新たながん治療法として注目されて いる。中でも、アルファ線核種(アクチニウム-225)で標識した225Ac-PSMA617は前立腺癌に対して劇的な治療効果を示した。本研究では、RGDペプチドを利用したTargeted Alpha Therapyの可能性について検討を行う。本年度は、DOTA-E[c(RGDfK)]2へ225Ac標識を行った。東北大学金属材料研究所アルファ放射体実験室で233Uから225Acをイオン交換樹脂カラム法で分離した。この225Ac溶液からFe担体を化学分離した。その後、溶離液を蒸発乾固させ、国立がん研究センターに移送し、実験に用いた。酸性条件下(pH6)又は、アルカリ条件下(pH9)、95℃、反応時間15~60分にて標識を行った。標識の確認には薄層クロマトグラフィー又はHPLCにより行った。その結果、標識率約50%程度で225Acの標識に成功した。しかし、インジウムで標識した際には、標識率が90%以上であることから、今後さらなる標識条件の改善が求められる。また、フローサイトメトリーにより、膵癌のがん幹細胞マーカーの一つであるアルデヒドデヒドロゲナーゼ(ALDH)の同定を行った。その結果、BxPC-3やCapan-1で高発現が認められた。今後は、225Ac-DOTA-E[c(RGDfK)]2を用いた治療実験や副作用評価を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り、225Acの標識に成功し、膵がん細胞株(5種)におけるALDHの同定を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に引き続き、225Ac標識率の向上に向けた取り組みを続ける。また、225Acに代わり、111In-DOTA-E-[(cRGDfK)]2を用いて、膵癌移植マウスにおける体内動態や腫瘍集積性の検討を行うことにより、DOTA-E-[(cRGDfK)]2の体内動態を把握する。
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Causes of Carryover |
計画的に実験が進み、効率よく試薬を使用することができたため。実験動物(ヌードマウスなど)や細胞培養に必要な試薬や血清などの購入に使用する。
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