2018 Fiscal Year Research-status Report
ビックデータを活用した放射線治療計画支援システムの基盤開発
Project/Area Number |
18K07700
|
Research Institution | Japanese Red Cross Wakayama Medical Center |
Principal Investigator |
平岡 眞寛 日本赤十字社和歌山医療センター(臨床研究センター), 臨床研究センターがん医療研究部, 院長 (70173218)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝脇 尚志 京都大学, 医学研究科, 教授 (90314210)
中村 光宏 京都大学, 医学研究科, 准教授 (30584255)
石原 佳知 日本赤十字社和歌山医療センター(臨床研究センター), 放射線治療科部, 医学物理係長 (60709351)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 遠隔医療 / 治療計画 |
Outline of Annual Research Achievements |
放射線治療は病院内において最も電子化された部門の一つであり、ソフト面を活用することにより施設間を横断して高精度放射線治療計画の質を担保できる可能性が高い。本研究では前述の問題を解決するために、大規模放射線治療データベースを構築し、それを利用した人工知能補助による治療計画を行い、治療機器の異なった各施設に対して照射可能な良質な治療計画を提供する支援システムの基盤開発を行う。 ビックデータの医療応用と人工知能によるその高度化は分野を問わず、大きなトピックスとなっている。放射線治療領域においても、人工知能を用いた治療計画ソフトウェアは一部で開発されているが、人工知能を用いた良質な治療計画を作成するために必須となる大規模な施設横断的な放射線治療計画用データベースは本邦において存在していない。本研究は、ビッグデータと人工知能を放射線治療に展開した取り組みとなる。 今年度は当初の研究計画書に則り、放射線治療計画用大規模データベースの構築、及び、施設間を繋ぐネットワークシステムの構築を実施した。 前者は放射線治療領域において、一般的に使用されている情報規格であるDICOM規格に対応したデータベースの構築を行い。臓器輪郭情報は施設間で命名規則が異なるため、これらの統一命名則を作成した。 後者は施設間の連携に仮想化プライベートネットワーク(VPN: Virtual Private Network)接続を行いその環境を実現した。将来的な多施設横断的な連携を目指すため、より汎用的なIPsec暗号処理を用いたインターネットVPN技術を用いて通信環境構築を実施中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画研究書に基づき、今年度は放射線治療計画用大規模データベースの構築、施設間をつなぐネットワークシステムの構築を実施した。 前者はデータベースの開発に伴い、データ収集の命名規則等を検討し、運用した。 後者はリアルタイムで施設間を仮想化プライベートネットワークシステムで構築する方法と、必要データのみをセキュアな環境で送受信する方法を検討した。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究計画書に基づき、人工知能を用いた線量計算手法の最適化、及び、治療計画のフィードバック手法を検討する。 放射線治療計画を提供施設にてそのまま照射を行うためには治療装置が同一である必要がある。しかし、それでは汎用性が著しく低下するためどの治療機器においても照射可能となるフィードバック手法を開発する。 治療計画における線量情報を線量域毎の輪郭情報に再変換し、他施設にフィードバックする。その線量域輪郭情報をもとに、照射施設において再最適化を行うことにより自施設での照射が可能となるシステムを構築する。 線量情報を輪郭情報に変換する過程において、どの程度の情報量を担保するかにより、照射施設における治療計画再現性が左右される。そのため、輪郭情報変換への情報量の検討を複数症例において実施し最適な条件を回帰的に算出する。
|
Research Products
(1 results)