2018 Fiscal Year Research-status Report
冠動脈CTにおける流体練成解析法を用いた冠血流予備量比の基礎的・臨床的検討
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18K07720
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
幸 秀明 熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (90710434)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇都宮 大輔 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (30571046)
船間 芳憲 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 教授 (30380992)
末田 大輔 熊本大学, 医学部附属病院, 特任助教 (70750040)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 冠動脈CT / CT-FFR / 冠動脈プラーク |
Outline of Annual Research Achievements |
冠動脈狭窄に対する経皮的冠動脈形成術(PCI)をはじめとする再灌流療法の適応は、狭窄度のみでは判定できず、狭窄末梢側の心筋に虚血を来しているかどうかが重要であり、治療効果および予後を規定する。近年、心筋虚血をFFR<0.8以下を基準に判定を行うことでPCIによる有意な予後改善を得られることが報告されている。ただし、そのFFR計測は侵襲的血管造影が必要となる。 冠動脈CT angiography (CTA)は非侵襲的に、冠動脈の解剖、狭窄の診断,冠動脈壁やプラークの性状評価に関する情報を提供できるため、臨床におけるその需要は年々増加している。しかし、冠動CTAでは解剖学的狭窄しか評価できず、FFRのような機能的狭窄を判定できない限界がある。近年、数値流体力学を応用して冠動脈CTAの画像からFFRを推算する手法が開発され、CT-FFRとよばれる。また、冠動脈の構造的経時変化(冠動脈の硬さ、変形)と流体力学解析を併せてCT-FFRを算出する新しいアルゴリズム(流体構造練成解析)も使用可能となっている。 冠動脈CTAには特異度が低いという欠点があり、CT-FFRの臨床応用は冠動脈CTAの欠点を補うことができ、心筋虚血の正確な診断をもたらすと期待されている。一方で、その精度や基礎的特性は十分に解明されておらず、臨床医学の心臓CT分野に応用可能かは明らかにされていない。 今年度は流体構造練成解析CT-FFRの精度を評価し、適切な臨床応用によって非侵襲的な心筋虚血評価の精度を向上させることができるか臨床症例から評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年は心臓CTを受ける予定の患者に対して臨床研究を遂行した。また、以前の心臓CTのデータからCT-FFRを算出し検討した。論文作成は概ね予定どうりに進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
心臓CTを受ける予定の患者に対して引き続き臨床研究を遂行する。得られた心臓CTのデータから流体構造連成解析によるCT-FFRの臨床評価. 侵襲的FFR と心臓CT を施行した患者を対象に、心臓CT単独群とCT-FFR併用群で比較する。また、流体構造連成解析によるCT-FFRの臨床的意義を侵襲的FFR と比較して評価する。
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Causes of Carryover |
使用物品の変更や学会旅費など予測困難な変更により当該助成金が生じた。 今後は貴重なデータに関しては光ディスク、ハードディスクでの保存、活用のためこれらを購入する。必要な文献のダウンロードや検索、および進捗に応じてミーティングを行うことも考慮している。研究成果の学会および論文発表のために英文校正費用、投稿費用も必要である。
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