2018 Fiscal Year Research-status Report
Precise depiction of porcine liver lobules by X-ray phase contrast image and evaluation of peripheral circulation function
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18K07721
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Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
森 浩一 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (90274977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関根 紀夫 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 准教授 (70295434)
小原 弘道 首都大学東京, システムデザイン研究科, 准教授 (80305424)
藤井 義大 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助教 (20637540)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 位相コントラスト / アナライザー / 放射光 / 暗視野 / X線 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、密度が異なる2領域の境界で生じるX線の屈折効果に基づくX線位相コントラストを用いて、X線低吸収体(肝微細構造等)を鮮明に描写するものである。X線位相コントラストの検出には、角度分解能を有するLaue型アナライザー(LA)1台を用いる。ここで得られる像の画質は、LAの刃厚の影響を受ける。刃厚が薄いほど像の空間分解能は高くなるがコントラストは低下する。ゆえに刃厚の決定には、X線回折曲線の計算と形状の評価が必要である。刃厚をH(μm)と記す。ここでは、H=(n+1/2)・Λの条件を満たす。nは自然数、Λはペンデル縞の周期長である。X線エネルギー30(keV)、Si220回折線では、Λ=63.14(μm)である。X線回折曲線の計算には、XOP2.4(XINPRO)を用いた。X線回折曲線の形状は、n=4以上では良好と判断した。しかし、Siの切削技術、Siの表面処理技術、作製できるLAの台数との関りで、刃厚は、現在用いているLA(H=980μm程度)の約1/2の厚さで、nが偶数であるH=537(μm)とした。これにより、従来の約2倍の空間分解能を得ることが期待できる。このLAの性能評価(試験撮影)は、2019年度に実施する予定である。 LAを用いることで、試料の前方回折像と回折像の2つの像を同時に得ることができる。主に暗視野回折条件近傍のX線回折角で撮影を行っている。X線回折角について、暗視野回折条件を含む数μradの角度範囲で試料の撮影を行った。特に現在は、前方回折像についての画質評価を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度に新型アナラーザーの設計と製作は終えたが試験撮影は行えなかった。これは、放射光実験の年間実施期間が限られており、またこの研究で利用するビームライン(KEKPF)の研究申請課題総数との関りで、この課題に配分される実験時間に制約があるからである。肝臓試料については、作製と保管の方法に高い技術を要することも要因に挙げられる。
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Strategy for Future Research Activity |
実験期間に関する対策としては、継続的に研究申請を行うことで配分時間を増やす。また試料に関する対策としては、新鮮肝臓の作製(入手)にこだわらず、冷凍試料や作成後に時間経過した試料でも成果が得られる方法を検討する。
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Causes of Carryover |
研究成果がまだ十分ではないことから、学会発表旅費や論文投稿の英文校閲費用に残が生じた。また、実験回数が予定より少ないことから、肝臓試料等の購入費の一部を論文投稿費用に転じたことが理由である。
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Remarks |
夢ナビの医療技術において、表題の技術を概説した。
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Research Products
(2 results)