2019 Fiscal Year Research-status Report
The value of 4D flow with dual VENC for evaluating blood flow
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18K07728
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
奥田 茂男 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (30233456)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 俊亮 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (20573281)
山田 祥岳 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (60383791)
陣崎 雅弘 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (80216259)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 4D Flow / 血流計測 / 肺動脈 |
Outline of Annual Research Achievements |
MRI 4D Flowにおける血流表示の際には、VENC (Velocity ENCoding)と呼ばれる閾値を設定する必要があり、最高血流速がVENCを超えた場合には、折り返りアーチファクトが出現してしまう。一方、VENCが高すぎる場合には、低速の血流が雑音信号に紛れることになり、検出が難しくなる。肺動脈血流は、肺門側から末梢まで、高速から低速度の血流が存在しており、現行のひとつの VENC 設定では、カバーすることが難しい。このため、高速側と低速側のふたつの VENC を利用できる(Dual VENC) 4D Flowを利用して、肺動脈血流計測範囲を広げることが、本研究の目的である。 現在も、ふたつの VENC の4F Flowデータを同時収集することができず、別々にデータを収集してそれを後処理で重ね合わせる手法しか実現していない。ひとつのVENCであれば5分程度ですむ撮像時間が倍近くかかり、その撮像時間の短縮には至っていない。後処理についても、データを一括して処理することができず、ふたつの画像を機械的に重ねる方法で行っている。 低速VENCの4D FLOWでは、末梢側の血流描出が向上するものの、高速VENCの画像との重ね合わせの時にずれが生じるなどの欠点が残り、双方の画像の間で描出不良となる部分も認められる。肺動脈の区域ごとの血流評価が目的であり、現在の方法では上葉枝、下葉枝における計測は可能であるが、さらに末梢側は血管描出自体が困難であった。また最近、大動脈に留置されたステントグラフトにおける血液漏出(Endoleak)の描出に 4D Flowが有効との報告があった。この際にも低速血流の描出能が課題となることが予想され、このような症例に対しても Dual VENC 4D Flowの適応を検討することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
撮像方法と後解析方法の改良が遅延している。Dual VENC撮像に対するニーズが当初の予想よりも少ないためか、MRI装置メーカーにおける開発・改良順番が遅くなり、短時間でデータ収集できる Dual VENC 4F Flowの開発に至っていない。また、後処理についても、これに対応できる装置の開発が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
後処理装置の開発を促進する。画像データ収集については、時間短縮がなくとも元データは得られるので、従来法で撮像した画像データを解析に用いてゆく。前述の、位置ずれの問題は対応が難しいが、肺門側と末梢側との間のデータ欠落については、血流計測断面を細かく設定することにより改善をはかる。
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Causes of Carryover |
2019年度で画像後処理装置の更新を行う予定としていたため、その費用を計上していたが、開発が間に合わず使用できなかった。次年度使用額は、後処理装置の更新費用として利用する計画である。
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