2018 Fiscal Year Research-status Report
深層学習を用いた肺腫瘍判別によるマーカーレス四次元動体追跡放射線治療の確立
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18K07753
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
椎木 健裕 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (30610456)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 文武 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (30274179)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 深層学習 / 機械学習 / 医用画像処理 / 四次元放射線治療 / 動体追跡放射線治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
肺腫瘍に対して,超高速に放射線の照射が可能である超高線量率照射能力を持つ医療用加速器と腫瘍近傍に留置された金属マーカの位置を,透視画像を用いてリアルタイムに認識する新しい動体追跡システムを用い,金属マーカが特定の位置に来た時のみ超高線量率で放射線照射を行う超高線量率四次元動体追跡照射の臨床応用した.本治療を実施するには,気管支鏡検査を行い,腫瘍付近に金属マーカを留置しなければならない. この検査により,肺/気管からの出血,気胸などの副作用を起こす危険性があったり,高齢化により気管支鏡検査が実施できず,本治療を受けることができないといった問題がある.本研究の目的は、金属マーカを使用せずに、画像処理・人工知能を用いることで、肺腫瘍自身の位置を認識し、位置情報を取得する技術を開発し、より低侵襲な四次元動体追跡治療の実現を目指す. はじめに,動体追跡システムを用いた治療時に取得される画像データの保存環境構築を行った.次に,取得した画像を使用して,深層学習を用いた腫瘍位置認識モデルを作成するための,GPUを用いた計算機環境の構築を行った.肺腫瘍に対して,動態追跡システムを用いて定位放射線治療を行った患者1症例を対象にした.治療実施前シミュレーション時に取得されたカラー透視画像1400枚に対して,RGBチャンネルに分離する前処理を加え,肺腫瘍が最も認識される高コントラストの画像を選択し,教師画像の作成を行った.医用画像のセグメンテーションに利用されるU-netモデルを利用することで,深層学習モデルの構築を行った.また,モデルの損失関数を,平均二乗誤差,エッジ処理に基づく平均二乗誤差とした.1回目の治療時の透視画像700枚 をランダムに取り出し,構築したモデルを適応させ,モデルの精度検証を行った.モデルの精度は,正解画像と学習モデルによって出力された腫瘍画像とのダイス係数で評価した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究計画は,深層学習研究を行う計算環境構築を上げていたが,環境構築だけでなく,研究の中心となる肺腫瘍認識モデルのプロトタイプを構築することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
全透視画像に対して,腫瘍認識モデルが機能しない画像も存在し,学習モデルの見直しおよび損失関数のさらなる工夫が必要となると考える.また,症例数を増やし,さらなる検証が必要となる.
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Causes of Carryover |
本年度は,深層学習用環境構築のためのPC購入のために計上していたが,まずは試作の深層学習モデルを構築して,実験可能性を確認していたため,完全な研究環境構築を行うことができず,計上金額を使用することができなかった.また,研究成果を学会発表で行ったが、論文としての発表が行えていない。論文の英文校正および掲載料として計上していたが、論文作成が遅れており、使用することができなかった。
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Research Products
(13 results)