2020 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of collateral pathways to the artery of Adamkiewicz using ultra-high-resolution CT
Project/Area Number |
18K07766
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
吉岡 邦浩 岩手医科大学, 医学部, 教授 (70210648)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | Adamkiewicz動脈 / CT / 大動脈瘤 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.胸腹部大動脈瘤、胸部下行大動脈瘤の手術における術後対麻痺は重篤な合併症で、手術方法が発達した現在でも約3~10%の頻度で発生している。この回避には画像診断によるAdamkiewicz動脈の同定が有用とされており、大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドライン(日本循環器学会ほか)ではCTあるいはMRIによるAdamkiewicz動脈の術前評価が推奨されている。一方、従来型CTの8倍の空間分解能を有する超高精細CTは、直径1mm程度の微細な血管であるAdamkiewicz動脈の評価に有用であることが判明しつつある。本研究の目的は、超高精細CTの胸腹部大動脈瘤あるいは胸部下行大動脈瘤における側副血行路を含めたAdamkiewicz動脈の診断精度を明らかにし、以て術後対麻痺の回避に寄与することである。 2.本年度は、症例の登録と解析を行った。登録し得た症例は119例であったが、24例が画質不良や撮影方法がプロトコールと異なる等の理由で除外された。解析対象となった95例のうちAdamkiewicz動脈が描出できたのは89例(94%)であった。 3.側副血行路は89例のうち20例(22%)に認められ、そのうち6例は2系統の側副路が認められた。26本の側復路の内訳は、脊椎周囲の動脈が21例(81%)、胸壁の動脈が5例(19%)であった。これらの側副血行路は細く複雑な走行を示す場合が多く、ここでも空間分解能に優れる超高精細CTの有用性が示唆された。 4.これらの研究成果はRSNA 2021(北米放射線学会、2021年11月に米国シカゴ市で開催予定)で発表予定である(Submission number:2021-EE-1189-RSNA)。また、本研究成果の一部は2020年改訂版大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドライン(日本循環器学会、日本心臓血管外科学会、日本医学放射線学会ほか)に採用された。
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