2019 Fiscal Year Research-status Report
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18K07770
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
中原 健裕 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (00599540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中原 理紀 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (10317240)
陣崎 雅弘 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (80216259)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 大動脈瘤 / 石灰化 / 微小石灰化 / FDG / NaF / PET |
Outline of Annual Research Achievements |
大動脈瘤は、大動脈の慢性的な炎症性疾患であり、突然破裂し死亡率は高いが、一般に破裂まで無症状である。破裂を予測する検査は今のところ確立されておらず、血管径の増大から破裂の確率を推定するに留まる。同じ血管径でも、どの症例が破裂するか予測する検査が必要である。我々は、同じく炎症を背景とする動脈硬化症において、心血管イベントの予測に核医学的評価(PET/CT)が有益であることを示してきた。本研究では、大動脈瘤動物モデルを用いて、トレーサー(18F-FDG/18F-NaF)の取り込み、動脈径・石灰化を経時的変化を観測し、病理学的評価も行うことで、大動脈瘤の進展予測における核医学の有用性を検討する事を目的とする。 まずはSDラットを用いて、動物モデルにおける当施設のμPETでの最適撮影プロトコールを決定する実験を行い、投与後のトレーサーの血行動態を観察し、最適な投与から撮影開始までの時間および最適な撮影時間を検討した。この結果得られた最適なプロトコールを用いて検討を行った。 当初これまでの報告から、刺激後20週まで4週ごとにμPETを施行し、経過を追う実験を行ったが、検討の結果、刺激後4週間までに取り込みが最大となる可能性が疑われた。そこで、刺激後1週目から評価を行った。その結果、FDG・NaFの取り込みは経時的に変化し、特に1-2週後の取り込みが最大となることが判明した。主にマクロファージ活性を反映するFDG取り込みは比較的早期に対照群と同レベルまで低下したのに対し、微小石灰化を反映するNaFの取り込みは遷延し、対照群よりも高いレベルを維持した。 これまでの結果は、2020年6月に開催される米国核医学会年次集会に採択され、口頭発表する予定である。(もっとも新型コロナウィルス(COVID-19)の影響で、学会の開催自体が中止される可能性がある)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2018年度の遅れを挽回し、一時的には、ほぼ予定通りの進捗状況まで改善した。 しかし、新型コロナウィルス(COVID-19)により非常事態宣言が発令される前の段階から、新規の動物購入を含めた行動の制限に協力している状態であり、これに伴い再度遅延が生じてきている。
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Strategy for Future Research Activity |
非常事態宣言が解除され、新規の動物購入を含む行動の制限が解除された暁には、実験のスピードを上げて遅れを取り戻すべく努力する所存である。
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Causes of Carryover |
武漢から流行した新型コロナウィルス(COVID-19)の影響で、2019年度に参加予定であった国際学会・国内学会が延期となり旅費に使用ができなかったこと、また非常事態宣言が発令される前の段階から、新規の動物購入を含めた行動の制限に協力しており、予算の執行が予定より少なくなった。 非常事態宣言が解除された暁には、今年度に延期された学会に参加するとともに、予定していた実験の為の新規動物・試薬を購入し、予算の執行を行っていく所存である。
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