2019 Fiscal Year Research-status Report
Study on very early diagnosis of dementia by connective analysis of the brain based on graph theory
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18K07779
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
松田 博史 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 脳病態統合イメージングセンター, センター長 (90173848)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | アルツハイマー病 / PET / MRI / 脳内結合 / アミロイド / タウ |
Outline of Annual Research Achievements |
アミロイド蛋白の蓄積と灰白質(GM)ネットワーク障害の相関関係は以前より報告されてきたが、タウ蛋白の蓄積とGMネットワーク変化の間の相関関係を検討した研究は今までみられていない。今年度は、18F-THK5351の蓄積とローカルネットワーク測定値との直接的な相関関係をボクセルレベルで調べた。47人のアミロイド陰性、認知的に正常な高齢者(65.0±7.9歳、55%の女性)をリクルートした。すべての被験者に、構造的MRI、アミロイドPETとして11C-PiB、およびタウPETとして18F-THK5351 PETスキャンを実施した。皮質の類似性に基づくT1強調MRIデータから抽出された単一被験者GMネットワーク画像を新たに作成し、グラフ理論的アプローチを使用して分析した。 18F-THK5351の集積と取得されたローカルネットワーク測定値(媒介中心性、クラスタリング係数、特性パス長、および次数の間)の間のボクセル単位の相関は、生物学的パラメトリックマッピングツールボックスを使用して評価した。18F-THK5351の蓄積とローカルネットワーク測定値(媒介中心性、クラスタリング係数、特性パス長、および次数)の間に有意な正の相関(多重比較、p <.05)が両側尾状核で検出された。一方、有意な負の相関は検出されなかった。ボクセルごとの相関分析により、18F-THK5351の蓄積と、認知的に正常な高齢者の尾状核におけるローカルネットワーク測定値との間に有意な正の相関があることが明らかになった。尾状核のネットワークがタウの蓄積に伴い代償的に増加することが判明した。尾状核は認知機能に重要な役割を果たすことが知られており、この結果は、尾状核が人間の老化を伴うGMネットワークに重要な役割を果たす可能性があることを示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今回はMRIによるT1強調画像を用いたネットワーク解析に関して、グループ解析のみならず、個々の被験者の構造ネットワークを評価可能な解析法を開発し、導入することができた。この方法はT1強調画像のネイ ティブスペース灰白質セグメンテーションから皮質内類似性に基づいてネットワーク情報を抽出するものである。節点は脳領域の小さな関心領域(3×3×3ボクセル立方体 として定義される)を表し、連結性はピアソンの相関で定量化されたGM密度値の類似性に基づく。次に、各ノードを45°の倍数でθ角度だけ回転させ、すべての 軸にわたって反射させて、ターゲットノードとの最大類似度を特定する。それらの相関値の有意性が無作為置換法に基づく多重検定のために補正されたp <0.05 の被験者特異的閾値を超えたときに脳領域を接続することによってGM類似性マトリックスを構築する。得られたネットワークを2値化し、次の4つのローカルネッ トワーク指数を計算する:次数(ノードのエッジ数)、クラスタリング係数(隣接ノードの相互接続性のレベル)、特定経路長(2つのノード間の最短距離)、 および媒介中心性(ノードを通る最短パスの割合)。ボクセルレベルで各被験者のローカルネットワーク測定値を比較するために、標準MNI空間のスライスされたGMに重ね合わせて対応する画像を作成した。この新しい手法の導入により、個人のタウ蓄積画像と構造ネットワーク画像を直接ボクセルレベルで評価することが可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度、あらたに開発した個々の被験者の構造ネットワーク画像から媒介中心性、クラスタリング係数、特性パス長、および次数に関する正常データベースを数百例の多数例で構築する。この正常データベースにおいて年齢依存性、性依存性を検討し、それらの影響が認められれば年齢別、性別の正常データベースを構築する。さらに、個人脳から算出されるネットワーク画像をこれらの正常データベース画像と統計学的に比較して異常を感度よく検出するソフトウェアを作成する。また、この個人脳のネットワーク手法をアルツハイマー型認知症だけでなく、アミロイドPETが陽性で認知機能が正常なプレクリニカルADの高齢者症例にも適応を広げる。プレクリニカルADに関しては縦断的な検討も行い、アミロイドPET陰性の認知機能正常高齢者と比較検討を行う。さらにタウPETの結果も加味して、タウ蓄積がアミロイド陽性と陰性において、どのように個人の構造ネットワークに影響するかを検討する。
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Causes of Carryover |
今年度はアミロイドPETで既に陰性か陽性が判定されている被験者にタウPETを行ったため、PETトレーサの合成費用が少なく抑えられた。また、フリーのソフトウェアを主に使用したため解析費用が抑えられた。次年度は、T1強調画像から個人脳の複数の構造ネットワークパラメータ画像を作成し、正常データベースを構築し個々の被験者におけるネットワーク異常を検出するためのソフトウェアおよびそのプログラム開発の費用が発生する。また、より多数例でのアミロイドPETとタウPETのトレーサ合成費用が発生する。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Voxel-based correlation of 18F-THK5351 accumulation and gray matter volume in the brain of cognitively normal older adults.2019
Author(s)
Shigemoto Y, Sone D, Ota M, Maikusa N, Ogawa M, Okita K, Takano H, Kato K, Kimura Y, Morimoto E, Suzuki F, Fujii H, Sato N, Matsuda H
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Journal Title
EJNMMI Res
Volume: 9
Pages: 81
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Differentiation Between Dementia With Lewy Bodies And Alzheimer’s Disease Using Voxel-Based Morphometry Of Structural MRI: A Multicenter Study2019
Author(s)
Matsuda H, Yokoyama K, Sato N, Ito K, Nemoto K, Oba H, Hanyu H, Kanetaka H, Mizumura S, Kitamura S, Shinotoh H, Shimada H, Suhara T, Terada H, Nakatsuka T, Kawakatsu S, Hayashi H, Asada T, Ono T, Goto T, Shigemori K
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Journal Title
Neuropsychiatric Disease and Treatment
Volume: 15
Pages: 2715-2722
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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