2018 Fiscal Year Research-status Report
Central Nervous System Involvement of Fukuyama type muscular dystrophy
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18K07790
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
池田 真理子 (谷口) 藤田医科大学, 大学病院, 准教授 (00410738)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石垣 景子 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (10366304)
小林 千浩 神戸大学, 医学研究科, 准教授 (90324780)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | バイオマーカー検索 / RNA創薬 / 低分子化合物 / 筋ジストロフィー / 中枢奇形を伴う筋ジストロフィー |
Outline of Annual Research Achievements |
福山型先天性筋ジストロフィー(FCMD)は、乳幼児発症の重度の筋ジストロフィーに滑脳症等の先天性の脳奇形・重度知的障害を伴う、本邦特有の常染色体劣性の遺伝性難病である.申請者はFCMDが、原因遺伝子フクチンに挿入されたトランスポゾン配列により引き起こされる「スプライシング異常症」であることを見出し、核酸医薬による骨格筋に対する初の根治療法の可能性を報告し現在前臨床試験が進行中である.一方、中枢奇形やてんかんなど神経症状は患者及び家族のQOLを骨格筋症状同様に脅かすものであるが、その実態や病態は未解明な点が多く治療法がない.本研究は骨格筋に加え中枢神経症状にも応用可能なFCMDに対する治療法確立を目指し①FCMD患者の中枢・末梢神経症状を含めた評価系(機能・バイオマーカー評価系)の構築②モデルマウスや疾患特異的iPS細胞などの疾患モデルによる病態評価と、治療アッセイ系構築、核酸に加え低分子化合物・酵素補充療法・細胞治療法などの新たな治療法開発研究を行う.本年度は以下について研究をすすめた。 ①中枢神経系の評価系構築 (池田・石垣)血清由来の産物をメタボロームや発現解析を行い疾患・病態特異的マーカーを検索した。 ②疾患モデルを用いた病態評価と核酸の適応拡大(池田)疾患特異的iPS細胞を用いた中枢神経系の機能評価 神経分化誘導法・分散培養法を用いた中枢神経系の機能評価・表現型の評価をおこなった。とくび分化培養法のrefinement を中心におこなった。 ③低分子化合物や酵素補充療法などの新規治療法確立(池田・小林・技術補佐員(細矢))低分子化合物での検討をすすめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①中枢神経系の評価系構築において、血清由来の産物をメタボロームや発現解析を行い疾患・病態特異的マーカーを検索し、ある程度の標的を絞り込むに至った。 ②疾患モデルを用いた病態評価と核酸の適応拡大 疾患特異的iPS細胞を用いた中枢神経系の機能評価 神経分化誘導法・分散培養法を用いた中枢神経系の機能評価・表現型の評価をおこなった。とくび分化培養法のrefinement を中心におこなった。これはいまだ改善の余地はあるが、中枢神経系のモデルを作成でき、今後さらに詳しく評価してゆく。 ③低分子化合物や酵素補充療法などの新規治療法確立(池田・小林・技術補佐員(細矢))低分子化合物での検討をすすめ、化合物に関しては標的を絞り酵素補充や新たな核酸を用いた治療法などの開発に可能性がでてきた。
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Strategy for Future Research Activity |
①中枢神経系の評価系構築では次年度ではさらに下層解析を行う予定である。 また神経系に特異的なマーカーの検索も行いたいと考えている。 ②疾患モデルを用いた病態評価と核酸の適応拡大(池田) 中枢モデルを細胞系だけでなく、動物でも再現できるような工夫を考えたい。 ③低分子化合物や酵素補充療法などの新規治療法確立(池田・小林・技術補佐員(細矢))低分子化合物での検討をさらにすすめ、権利化や企業導入などの可能性を模索したい。
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Causes of Carryover |
低分子化合物や核酸の合成に予定していたよりも少額の予算で2018年度は完了したため、計上していた予算が残存したが、動物実験などスケールを大きくして実験を予定しているため、次年度に繰り越して使用を考えたい。また予定していた学会参加を中止し研究を優先させたため、次年度にその分の予算を研究の物品費用に当てたいと考えている。
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