2018 Fiscal Year Research-status Report
脳機能・形態評価に基づく疲労関連小児疾患の治療法開発研究
Project/Area Number |
18K07793
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
上土井 貴子 熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (90363522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 敬 国立研究開発法人理化学研究所, 科技ハブ産連本部, チームリーダー (60464616)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 小児慢性疲労症候群 / 注意欠如・多動症 / 脳科学 / MRI |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、小児慢性疲労症候群と注意欠如・多動症に共通する中核症状に焦点を当て、臨床現場と教育現場からの要望度の高い、短期的治療効果でなく、中長期的な治療効果判定法の開発を試みる。磁気共鳴画像法(MRI)や機能的MRIの方法論を駆使し、これらの中核症状関連脳部位の神経活性度、安静時脳活動パターンおよび各脳領域の体積量などといった多様な脳機能・形態情報を両疾患患児から収集し、各種治療により変化するこれらの脳機能・形態評価と臨床的重症度に基づき、治療中断・終了過程も含む数か月間の治療効果を検証することで、神経科学に立脚した小児・思春期疾患患児の中長期的な治療法の確立を目指す。平成30年度は、これまでに集積してきた健常成人を対象とした脳構造・脳機能MRIのデータベースを参考に、米国のHuman Connectome Projectに準じた脳構造情報および脳機能情報に関するMRI撮像プロトコルを確立するための検討を繰り返し、プロトコルを確定させた。そして、主に健常児のMRIデータの集積を行った。研究開始当初は、健常児20名のデータを収集予定であったが、小児・思春期の児童生徒に対するWISCやWAISなどの知能検査の解析結果から算出スコアの分散が比較的大きい、また発達期の脳機能・構造情報についても分散が比較的大きいと判断し、当初の予定以上の被験者数の集積を行った。これから順次、患者データの集積も進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画当初の予定通り、MRI撮像プロトコルを確立し、データ収集を開始することができているため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画していた研究内容に基づき次年度も研究を推進する。被験者および保護者の倫理的配慮にも注視しならが慎重に研究を行う。そして、MRIを用いた患者の治療効果判定の検証を開始し、医療従事者と国民に還元できる新たな知見が得られるよう研究を進めて行く。
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Causes of Carryover |
【理由】MRI撮像プロトコルを確立に比較的時間を要し、次年度にさらに被検査データの集積を図るため、特にMRI試験実施に必要な研究実施者人件費と研究協力者(被験者)の負担軽減費(謝金)などの予算確保が必要になり、次年度に使用を希望する研究費が生じた。 【使用計画】 上記理由により、次年度の本試験の研究実施者人件費と被験者謝金として執行予定である。
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Research Products
(1 results)