2021 Fiscal Year Annual Research Report
Longitudinal influence of intrauterine growth restriction to the hypothalamus-pituitary-adrenal axis
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18K07795
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
岩田 幸子 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (40465711)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 新生児 / 副腎皮質 / 発達 / 認知機能 / 下垂体 / 視床 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,在胎週数に比して体格が小さいSmall for gestational age(SGA)児の視床下部‐下垂体‐ 副腎 (HPA)系が,胎内発育遅延でプログラミングされた結果,1.生後に特有の制御過程を経ること,そして,2.脳神経系の発育に無視できない影響を受けることを,MRI画像を用いて解析した. 研究期間内にリクルートした137症例(早産児 Appropriate for gestational age (AGA)児82例・早産児SGA児38例・正期産児17例)において退院時MRIの解析が可能であった.髄鞘化進展の指標となるFA値は,内包後脚において,撮影時の修正週数と有意な正相関を認める一方,脳梁では,在胎週数と有意な正相関を示した.さらに,脳梁のFA値は,早産児SGA児はAGA児に比較し有意に高値であったが,内包後脚では,同様の所見を認めなかった.以上から,脳の発育は部位特異性があること,胎内の状態に強く依存する部位において,SGA児の過成熟が明らかとなる傾向にあると考えられた.一方,方向性を問わない構造の複雑化を反映するADC値は,脳白質前頭野において,撮影時修正週数で補正後,早産児SGA児はAGA児より有意に高く,一見,FA値で示された過成熟と相反する結果であった.早産AGA児は,生後の体重不良およびステロイド投与率がSGA児に比べ有意に高いという背景がある.ステロイドの発達に及ぼす影響は,脳内部位によって,胎内と胎外では異なり,それが,早産児における特異的な脳の発達に寄与する可能性が考えられた.
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Research Products
(8 results)