2019 Fiscal Year Research-status Report
Fontan患者の日常運動の量と質が、臓器障害とFontan循環に与える影響
Project/Area Number |
18K07800
|
Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
増谷 聡 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (10316739)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 日常運動量 / 活動量 / Fontan / 合併症 / 先天性心疾患 / 毛細血管 |
Outline of Annual Research Achievements |
Fontan手術は、単心室形態あるいは二心室修復が困難な先天性心疾患に対する最終の機能的修復術である。Fontan循環は肺に駆出する心室を有さないため、循環予備が乏しい。安静時に高い中心静脈圧は運動時にはさらに上昇するため、過度な運動はFontan手術後の遠隔期合併症につながる可能性がある。反対に、安定した慢性心不全に対する運動療法は、心血管機能、筋、神経液性因子、QOLに対する効果があり、推奨されている。これまで、Fontanの至適な日常運動量の知見はない。我々は、加速度計を用いた日常運動の量と質測定と静脈圧・静脈血管床評価を含む詳細な外来Fontan循環評価システムを作成した。本研究では、汎用運動量計を一年中携行することにより、年間を通じたすべての運動量、歩数を明らかにする。これらの経時フォローにより、個々のFontan患者の日常運動の量と質、パターンが、中期的なFontan循環や臓器障害進展にどのような影響を及ぼすかを明らかにする。 これまで、11名の終日または夜間在宅酸素療法を施行中のFontan術後で一年中の計測を目標に運動量を持続計測している。うち、活動量の低かった1例の重症児は永眠した。他の児の活動は良好・活発であったが、ほとんどの児でCOVID-19に関連した外出自粛期間の活動は有意に低下していた。 毛細血管は、年長児以降でほぼ良好に可視化・観察できた。成人仕様のため、毛細血管可視化システムの角度が合わない児が一部存在したことと、いかに定量を行うかが今後の課題である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
対象症例数はやや伸び悩んでいるが、計測症例では引き続き活動量の記録ができている。
|
Strategy for Future Research Activity |
対象児のアウトカム測定の一つとして、末梢静脈圧をモニタリングしながら、心エコー図学会の推奨に従った運動負荷プロトコルによる運動負荷心エコーを行い、フォンタン循環特性を評価する。日常の運動がそれらに与える影響や、毛細血管機能との関連を明らかにしていきたい。
|
Causes of Carryover |
測定機材を効率的に運用できたため、その分の支出を減じることができた。コロナウィルス感染症の流行により多くの学会がキャンセルとなり、旅費が生じなかった。最終年度に解析用ソフトの購入や、コロナウィルス感染症抑制後の旅費等に用いる予定である。
|
Research Products
(17 results)