2019 Fiscal Year Research-status Report
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18K07807
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| Research Institution | National Center for Child Health and Development |
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Principal Investigator |
河合 利尚 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 生体防御系内科部, 診療部長 (20328305)
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| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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| Keywords | 好中球 / 食細胞 / 遊走能 / 食細胞機能異常症 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
生体内では、多彩な変化が連続性にみられるため、継続的に変化する細胞環境を想定し、細胞や組織の動態を捉えることが、本来の細胞機能評価につながる。好中球では、遊走、貪食、殺菌、顆粒放出など多岐に渡る機能が知られている。そこで、本来の細胞機能を調べるために、高感度のライブイメージング技術を用いて、生体内での細胞環境やシグナルの時間的変化を再現し、好中球の機能を客観的に評価する方法を樹立した。これにより、今年度は、炎症局所で産生・拡散した遊走因子を再現し、好中球が炎症局所へ集積する速度、方向、加速度、移動距離などを測定した。従来のライブイメージング技術では、遊走のエンドポイントで定量はできたが、好中球が遊走する詳細な過程は不明であった。好中球は、生体内で感染部位や炎症部位に対して、Formylmethionyl-leucyl-phenylalanine（fMLP）などの一次化学誘引物質によって血液から動員される。この時、好中球はfMLPの濃度勾配に従い、低濃度から高濃度の方向に遊走する。今回、高倍率画像や蛍光画像が取得できる装置を用いて、濃度勾配が形成された化学物質へ反応し、好中球が遊走した画像を記録し、各好中球の活動性を数値化することができた。当センター倫理委員会で承認された研究実施計画書に従い、同意を得られた免疫不全患者を対象に、好中球機能を測定した。また、従来の方法で、遊走の低下が指摘されている疾患について、細胞の動態を継続的に測定した。これらの疾患と同様の方法で、健常者の正常コントロールのデータ収集も行なった。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
化学物質の安定的な濃度勾配を形成し、かつ、その化学物質に対する細胞の反応を高倍率の蛍光画像でリアルタイムに観察・撮影可能な装置を用いて、生体内における細胞の動態をin vitroで再現するための実験系を構築した。これまで、健常者の好中球を用いて、実験系を樹立し、さらに、好中球の機能が障害される原発性免疫不全症患者の末梢血好中球をもちいて、健常者の好中球機能と比較検討を行なっている。昨年度、好中球分離の過程で、細胞のviabilityが30-95%と大きく変動していたため、好中球分離の方法を変更して行なった。また、採血管による細胞機能の影響とともに、これまでの実験データと実験方法の変更によって明らかな相違がないことを確認した。2020年度は、患者検体を用いた解析を行うため、現在までの進捗（2019年度の到達度）は、約80%と考える。
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| Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、患者検体を用いた解析を開始しデータを集積し、健常者の解析データと比較検討する。患者検体を使用するにあたり、当センター倫理委員会にて研究実施計画（研究課題「先天性免疫不全症の診断ならびに病態解析に関する研究」）が承認されている。また、好中球機能が障害される慢性肉芽腫症やWiscott‐Aldrichおよび類縁疾患の患者から、臨床研究を行うための同意を得た。そのため、引き続きデータを集積するとともに、得られたデータを数値化し統計学的検討を行う。また、好中球機能障害が示唆される新たな疾患が想定された場合、殺菌能、遊走能など、網羅的な機能解析について、本可視化技術を用いて検討する。
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| Causes of Carryover |
2019年度の患者検体数が予定よりも少なかったため、細胞分離試薬、細胞機能解析に用いる試薬、細胞培地などを、2020年度に購入することになった。これらの培地や試薬は、使用期限が限られているため、2019年度に購入しなかった。
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Research Products
(2 results)
