2020 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of the role of Vasohibi-2 in rhabdomyosarcoma and development of novel cancer therapy
Project/Area Number |
18K07812
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 康弘 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 助教 (60332277)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 横紋筋肉腫 / Vasohibin / SVBP / 微小管翻訳後修飾 / チューブリン脱チロシン化 / がん悪性化 |
Outline of Annual Research Achievements |
横紋筋肉腫は小児で最も頻度の高い軟部組織肉腫であり、その中でも胞巣型は胎児型と比して転移や再発頻度が高く予後不良とされる。胞巣型の腫瘍発生には、染色体転座によるPAX3-FOXO1 あるいは PAX7-FOXO1 融合遺伝子の形成とその転写調節因子の働きが深く関わっている。 胞巣型横紋筋肉腫細胞株RH30はPAX3-FOXO1融合遺伝子を有し、αチューブリン脱チロシン化酵素Vasohibin-2(VASH2)を高発現している。今回、siRNAの導入によりRH30が発現するPAX3-FOXO1を特異的にノックダウンすることによって、VASH2 mRNAの発現レベルが減弱することを新たに確認した。また、RH30細胞(親株)とそのVASH2欠損細胞株を用いて、インターフェロンγ刺激によるPD-L1の発現誘導性の違いをウェスタンブロットにて解析した結果、親株ではインターフェロンγ刺激に応答してSTAT1のリン酸化とPD-L1の発現が誘導されたが、VASH2欠損株ではSTAT1のリン酸化は誘導されるもののPD-L1の発現誘導が親株と比して減弱化していた。VASH2は細胞内でsmall vasohibin binding protein (SVBP)と複合体を形成して脱チロシン化酵素として機能するが、siRNAによりSVBPをノックダウンして両者の結合を阻害すると、VASH2のmRNA発現レベルに変化はないが、VASH2蛋白が不安定化しαチューブリンの脱チロシン化レベルが顕著に抑制されることを確認した。さらに、細胞内におけるVASH2の局在について免疫染色法にて解析したところ、分裂期における紡錘体への集積と脱チロシン化の誘導を新たに確認した。以上の結果は、横紋筋肉腫の悪性化におけるVASH2の作用メカニズムを理解するために重要な成果であると考えられる。
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