2020 Fiscal Year Research-status Report
小児のてんかん原性の形成・進展に関与する脳内ネットワークの解明
Project/Area Number |
18K07825
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
佐久間 悟 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (80570605)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇田 武弘 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (70382116)
本田 涼子 独立行政法人国立病院機構(長崎医療センター臨床研究センター), 小児科, 医師 (70457555)
小野 智憲 独立行政法人国立病院機構(長崎医療センター臨床研究センター), 脳神経外科, 脳神経外科医長 (10393456)
大澤 政彦 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (80213685)
伊東 正博 独立行政法人国立病院機構(長崎医療センター臨床研究センター), 臨床検査科, 病理医 (30184691)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 難治てんかん / 神経病理学 / 小児 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は、令和元年度と同様に手術症例に対して病理組織標本を作成した。作成した病理標本は、平成30年度に調整し設定した染色条件下でLFB-HE染色と抗NeuN, GFAP, Olig2, NG2, O4, MBP, filamin A, alpha B crystallin抗体の免疫組織染色を行った。また、硬膜下電極におけるてんかん性放電から得られた焦点の中心と考えられた部位と周辺部位との切除病理組織所見を詳細に比較した。検討した4例での病理診断は、Focal cortical dysplasia(FCD)TypeⅡb 2例、Hippocampal sclerosis(HS)2例。全症例でReactive oligodendrocyte(ROC)の核にOlig2は発現し増加を認め、白質>皮質であった。発現の弱い細胞と強い細胞が混在し、焦点中心領域と周辺領域とに著明な差異は確認できなかった。filamin Aは、1例において、焦点領域の皮質において、bizarre glial cells、balloon cells(BCs)の細胞質に発現が増加、周辺領域では皮質の少数のグリア系細胞に軽度発現したものがあった。また形態的に突起を持ち、肥厚したastrocyteの細胞質に弱く発現した症例も認めた。白質においては、dysmorphic neuron(DN)及び, BCsの細胞質に発現した。周辺領域に集簇したROCの細胞質に軽度発現した症例もあった。NG2抗体及びO4抗体に対してROC、astrocyte、DNとBCはいずれも免疫応答を認めなかった。ストレスタンパク質であるα-B-crystallinは、Olig2陽性細胞と形態的に類似した細胞において免疫反応を示した。Olig2に免疫反応を示すROCは、強いストレス下でα-B-crystallinが何らかの影響を及ぼしている可能性があると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度は、COVID-19の感染拡大に対する学内の対応及び研究の自粛要請により研究に対するエフォートが大幅に低下したため。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19の感染拡大下で外科手術の制限を余儀なくされている中で症例数が予定より少ないが、可能な限りの症例の集積を進めていく。
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Causes of Carryover |
COVID-19の感染拡大により、研究の自粛要請があったため、活動が大幅に制限された。 翌年度は、テレワークやWEB会議などを通して、代表施設及び共同研究施設との研究活動を推進していく。
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Research Products
(2 results)