2019 Fiscal Year Research-status Report
NUDT15のファーマコゲノミクスに基づく6MP用量設定の最適化
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18K07836
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Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
大隅 朋生 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 小児がんセンター, 医長 (00383878)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 元博 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 小児血液・腫瘍研究部, 診療部長 (40708690)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 急性リンパ性白血病 / オーダーメード医療 / 薬剤感受性 / 遺伝子多型 |
Outline of Annual Research Achievements |
急性リンパ性白血病(ALL)に対して投与される6MPに対する感受性に影響を及ぼすことが知られているNUDT15 genotypeに関して、その臨床的な意義についての研究を継続している。日本人における正確なNUDT15 genotypeの頻度を把握し、付随した臨床情報との統合解析を行うために、東京小児がん研究グループ(TCCSG)および小児白血病研究会(JACLS)の治療研究に登録されたALLの979名の大規模コホートを用いて、NUDT15 genotypeの特定を行い、予後との関連について検証した。genotypeの特定についてはSanger sequence法に加えて、次世代シーケンサーを用いた方法を併用した。wild/hetero/homoの頻度はそれぞれ 753 (75.8%), hetero 195 (20.3%), homo 11(1.2%)だった。NUDT15のgenotypeと予後との相関については、3群で無イベント生存率、全生存率に差は見られなかった。ETV6-RUNX1陽性群など、各サブグループでもNUDT15多型の各群で同等の治療成績が達成されていた。この結果により、6MPのgenotypeに基づいて適切に6MPの減量がなされることで、有害事象を回避することができ、治療効果を維持でき、適切な減量を行うことの意義が確認された。次に、臨床的に重要度の高いNUDT15 homo患者の実際の6MP耐用量について多数例の解析を行うため、国際共同研究を行なった。日本からのコホートからの20例に加えて、シンガポール7例、台湾6例、中国3例、タイ1例の計37例の解析を実施した。全例で6MPに対する高感受性が確認され、耐用量は5-10mg/m2と非常に低かった。一方でhomo患者の中でも多型の組み合わせにより耐用量に差があることが確認された。このコホートでは、維持療法での開始用量を減量することで、重篤な骨髄抑制を回避でき、維持療法の中断を最小限にとどめられることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画で予定していた新規diplotype決定法開発に関する論文化は完了した。また、大規模コホートを用いた真の多型頻度解析と予後との関連の解析、homo多型患者の臨床情報の収集も予定通りに実施できており、順調に研究が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
さらに解析の質を高めるために国際共同研究をすすめ、結果を論文化する。大規模コホートを用いた真の多型頻度解析と予後との関連についてはシンガポールで治療されたコホートを加えた2000例以上での統合解析を予定している。homo多型患者の臨床情報の収集については、全37例の詳細な臨床経過をまとめ、公表する予定である。また、NUDT15多型と晩期合併症との関連を、長期フォローアップの情報と合わせて解析を行うことを計画している。
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Causes of Carryover |
残額が生じたのは試薬の購入時に割引があり予定額から残額が生じたためである。前年度残額分についてをNUDT15多型解析対象のコホートをさらに大きくし、解析を実施するためその試薬費用として使用する予定である。
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