2018 Fiscal Year Research-status Report
Elucidating comprehensive transcriptional network of gonadal somatic cells by a novel transcriptome strategy
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18K07839
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
鹿島田 健一 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (80451938)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森尾 友宏 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (30239628)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 卵巣発生 / 転写制御 / エンハンサー / トランスクリプトーム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、幹細胞(ES細胞)からの安定した性腺体細胞の作製法の開発、性腺機能不全患者における臨床応用を行なうことを最終目標とし、新規に開発された網羅的RNA定量解析技法である、NT-CAGE法 (Cap-trapped Analysis of Gene Expression法)を用い、性腺体細胞の分化および維持における転写分子制御機構の網羅的解明を目的とする。(1)NT-CAGE法による性腺細胞分化維持主要分子の網羅的解析による分子転写ネットワークの解明 (2)性腺細胞分化維持に必須な新規転写因子の同定、および新規分子機構の解明 (3)(1), (2)の知見に基づく、性腺体細胞作成への応用。 本年は、まず性腺体細胞WT1陽性細胞のみにEGFPおよびmCherryを発現する、WT1-RG マウスを用い、FACSを利用し、胎生期マウス 胎生13.5日、16.5日、生後0日の3ポイントで性腺体細胞の検体をXX, XYマウスより集め、網羅的トランスクリプトーム解析法であるCAGE法で解析を行った。 まず適切なサンプルRNA量を決定するために、20, 60, 180ngで解析を行ったところ、いずれのサンプル量でも良好な相関が得られたので、100ngを用いて解析を行った。XY性腺ですでに精巣特異的エンハンサーとして同定されているTESCOおよびその周辺のenhancerからは、いずれもXY性腺特異的なシグナルを検出できたため、本サンプルを用いたCAGE解析でenahncerを同定することが技術的に可能であることを確認した。以上より、胎生13.5日、16.5日、生後0日の3ポイントでの検体(n=3)の総RNAを回収し、CAGE法で解析を行った。得られたデータに対し、統計学的手法を用い、target遺伝子の発現量変化とenhancer RNAと思われる領域のRNA発現量の相関を解析した。この結果、卵巣特異的分子の上流から下流にかけて3領域のenhancer候補領域を特定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記の如く、予定通り、enhancer 候補領域を特定することができた。 今後は以下の通り、生体での機能解析やヒトにおける遺伝学的意義について検討を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、以下の実験を計画している。in vitroでのenhancer候補領域を用いたreporter assayの確認と詳細な機能解析、enhancer候補領域にLacZのreporterを連結したtransgeneをもつマウスを作成し、in vivoでのreporter assay、ヒトにおける46,XX DSDの患者の遺伝学的解析による候補領域の欠失もしくは変異の有無の同定を行う予定である。
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Causes of Carryover |
消耗品が年度内の請求に間に合わなかったため、次年度に他の消耗品と併せて購入する予定である
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