2018 Fiscal Year Research-status Report
遺伝的背景とCa2+/NFAT経路活性化に基づいた川崎病への新治療戦略構築の試み
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18K07852
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
武内 崇 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (10246522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 啓之 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (80196865)
末永 智浩 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (70433365)
垣本 信幸 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (90614412)
鈴木 崇之 和歌山県立医科大学, 医学部, 準客員研究員 (40816691)
土橋 智弥 和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (20828488)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 川崎病 / シクロスポリン / CA2+/NFAT |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、川崎病(KD)の罹患感受性や重症化に7遺伝子の一塩基多型(SNP)の関与が報告されている。この内、3遺伝子(ITPKC, CASP3, ORAI1)のSNPは、Nuclear Factor of Activated T Cells(Ca2+/NFAT)経路活性化に関与し、この経路がKD発症や重症度に強く関与することが示唆される。我々はこれまでに、ガンマグロブリン静注療法(IVIG)不応の重症KDに、この経路に抑制作用を持つシクロスポリンA(CsA)の有用性を報告し(Pediatr Infect Dis J. 2011)、効果機序の一端に、細胞内シグナル伝達経路のJAK-STAT経路が関与することも報告している。しかしながら、CsA投与にも十分な治療反応をしない治療抵抗例が存在する。今回、KDに対する新たな治療戦略を構築することを目的として、①KD症例の上記3遺伝子多型の検索、②治療プロトコール(1st-,2nd-,3rd-,4th-line:それぞれIVIG, IVIG, CsA, IVIG) に対する治療反応性、③細胞内シグナル伝達経路(NFAT、JAK-STAT各経路)関連蛋白や遺伝子発現の定量、④各種サイトカイン(IL-2,6,10,18,sIL-2R,TNF-α等)と遺伝子発現の定量を計画することとした。現在、当院に入院するKD患者から、本研究への症例のエントリーを行い、解析に必要な血液検体の収集を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度の症例エントリー数が、当初の予定よりやや少なく、検体数がまだ不足している状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度は、検体数の増加を目的として、積極的に症例エントリー数を増やすべく説明等に十分な時間をとるようにする。収集できた検体を用いて、当初の予定通りの解析を進める予定である。
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Causes of Carryover |
当初購入を予定していたThermal Cycler Diceが、当科に現有する機器の使用が可能となり、購入を見送ったため、助成金に余剰ができた。
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