2020 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of pathological mechanism of cognitive impairment and neurodevelopmental disorder observed in the new model mouse of extremely preterm infants
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18K07855
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
出口 貴美子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師(非常勤) (50227542)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 健一郎 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (20348791)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 超早産児 / 虚血性脳障害 / モデルマウス / トランスクリプトーム解析 / 環境要因 / 行動試験 / 認知機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々が独自に確立した虚血性脳障害のモデルマウスを用いて、どのような遺伝子発現変化が生じているのかについての解析を進めた。このモデルマウスにおいては、発生段階の虚血によって、成育後の認知機能障害が生じるため、虚血性脳障害が生じた超早産児の新規モデルマウスとして有用であると考えている。 次世代シークエンスを用いたトランスクリプトーム解析と、マイクロアレイを用いたトランスクリプトーム解析で、共通する経路の変化が観察された。特に、発現変化が生じている可能性のある遺伝子の候補として、代表的なMAPキナーゼである、ERK1/2や、PI3キナーゼが観察された。MAPキナーゼやPI3キナーゼの経路は、知的能力障害における認知機能障害を生じる遺伝的な要因として知られている。このため、今後、さらなる検証が必要ではあるものの、発生段階の虚血という環境要因によって、認知機能に関わる遺伝子の発現に影響を生じる可能性が示唆された。 また、上記の独自に確立した虚血性脳障害のモデルマウスを基にして、発生段階における異なる時期の虚血による影響を検証するため、さらに条件検討を行ったところ、出生直後の大脳新皮質において、特徴的な組織構築の変化が生じることを見出した。さらに、その条件を用いて作成したマウスが成育したのちに、どのような動物行動への影響が生じるかを解析した。具体的には、オープンフィールド試験、Y字迷路試験、三室社交性試験、新奇物体認識試験、高架式十字迷路試験等の行動試験を行った。このうち、新奇物体認識試験において、認知機能の低下傾向を認めた。発生段階の環境要因によって、認知機能障害を生じ、かつ、特徴的な組織構築の変化を示す、新たなモデルマウスとなる可能性が期待される。
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Research Products
(2 results)