2020 Fiscal Year Annual Research Report
Role of type III sodium/phosphate co-transporters in osteoblast differentiation and mineralization
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18K07866
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Research Institution | Osama Woman's and Children's Hospital |
Principal Investigator |
山崎 美和 (若林美和) 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪母子医療センター(研究所), 骨発育疾患研究部門(旧環境影響部門), 流動研究員 (50455549)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | Pit1 / Pit2 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞外のリン酸(Pi)は骨石灰化への関与に加え、細胞に直接作用して遺伝子発現や細胞機能を制御する。Piの多様な作用の一部は、細胞形質膜や基質小胞の膜上に存在するIII型ナトリウム‐リン酸共輸送担体であるPit1やPit2を介することが推察される。本研究においては、骨芽細胞株MC3T3-E1 Subclone4にCRISPR/Cas9を適用してPit1欠損細胞(Pit1-KO)およびPit2欠損細胞(Pit2-KO)を作製し、骨芽細胞におけるこれらの輸送体の機能解析を試みた。 Pit1-KOおよびPit2-KOではPi取込能の減少にもかかわらず、Pi存在下長期培養における石灰化が対照細胞よりも亢進していた。播種翌日の未石灰化細胞では、Pit1-KO、Pit2-KO共に対照と比較し細胞外PPiの増加と細胞内PPiの減少を認めた。PPiを細胞外へ輸送するAnkの発現には差を認めなかったが、PPiを分解するアルカリホスファターゼ(ALP)の活性がPit1-KO、Pit2-KOでは低下していた。ALPの基質となる細胞外ATPは、細胞外PPiと同様にPit1-KO、Pit2-KOで増加しており、ATP受容体P2Y2の発現低下を伴っていた。細胞内ATPはクローン間で差を認めなかった。さらに、3 mM Pi存在下で3週間培養し石灰化を誘導した細胞でも同様の検討を行ったところ、石灰化前の細胞とは異なり、ALP活性はPit2-KOで増加しており、細胞外PPiはPit1-KOで増加、Pit2-KOで減少していた。一方、細胞内PPiは石灰化前の細胞とは逆に、Pit1-KO、PiT2-KOで共に増加していた。細胞外ATPは細胞間で差がなかったが、細胞内ATPはPit1-KO、PiT2-KOで共に増加していた。
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Research Products
(4 results)