2020 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of molecular mechanism of proteinuria mediated by Cubilin
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18K07872
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
張田 豊 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (10451866)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神田 祥一郎 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (60632651)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | Cubilin / Amnionless / NVL / アルブミン / 再吸収 / エンドサイトーシス |
Outline of Annual Research Achievements |
腎近位尿細管や腸管上皮では刷子縁に発現するCubilinと膜蛋白質であるAmnionlessからなる膜蛋白複合体により低分子蛋白質が(再)吸収される。CubilinはAmnionlessと結合し、Ammionless依存的に細胞膜に輸送されることにより蛋白受容体として機能する。我々は巨赤芽球貧血と低分子蛋白尿を呈するImerslund-Grasbeck 症候群(IGS)患者においてCubilinおよびAmnionless遺伝子変異がAmnionless依存的なCubilinの細胞膜発現を阻害すること、近位尿細管における低分子蛋白質の再吸収には小胞体内でのCubilinの特定の糖鎖付加プロセスが必須であることを明らかにした。本申請課題ではこの検討をさらに進め、Cubilin機能を制御する分子メカニズムの解明を目指した研究を行った。 まず、Amnionless全長発現ベクターとCubilin全長発現ベクターを培養細胞に導入し、FACSを用いてin vitroでCubilinの膜発現を定量的に評価する系を構築した。またアルブミンのエンドサイトーシスを定量的に評価することに成功した。この系を用いてCubilin遺伝子の変異や多型による影響を解析した。その結果アルブミンとCubilinのC末端領域に結合すること、またその結合を介したエンドサイトーシス不全が蛋白尿の原因となることを明らかにした。またAmnionlessの結合蛋白の網羅的探索を行い、核小体蛋白質のNVLがAmnionlessの細胞内領域に結合することがCubilinのエンドサイトーシスを制御するという新しい尿細管再吸収の分子メカニズムを明らかにした。本研究により、蛋白尿が重要な役割を果たす多くの腎疾患の発症進展メカニズムを理解する上で重要な知見が得られた。
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