2020 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular analysis of brain-type dystrophin to understand dystrophinopahy-related neurological disorder
Project/Area Number |
18K07883
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
藤本 崇宏 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10446114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 秀和 立命館大学, 生命科学部, 教授 (70273638)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ジストロフィン / Dp71 / ジストログリカン / 分子間相互作用 / リン酸化 / 蛋白安定化 / 膜局在化 / 点変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
Dp71はジストロフィン遺伝子産物の一つであり脳に高発現することが知られている、しかし筋細胞で機能するDp427との機能的差異や膜貫通蛋白ジストログリカン(DG)との相互作用様式の詳細は不明な点が多かった。 本研究において、Dp71とDGの物理的相互作用を解析するためにクロスリンク法を適用し、効率よく検出することに成功した。その結果、DGの膜貫通領域近傍の19アミノ酸配列がDp71のEF-handとZZ-motifからなるN末側の領域と結合するために必須であることを明らかにした。この物理的相互作用を介して細胞内においてはDGがDp71の膜局在化を制御し、さらに膜局在化したDp71が高リン酸化状態になることを見出した。このようなDG依存的なDp71の翻訳後修飾や膜局在化といったダイナミックな変化はDp71d, Dp71f, Dp140といった複数のジストロフィン産物間で保存されており、おそらく筋細胞におけるDp427に関しても同様の制御機構が保存されていることが予想される。 Dp71のタンパク一次構造はDp427のC末端部分に相当するが、WW領域を欠いていることは着目すべき点である。我々が明らかにしたDp71の必要領域がEF-hand、ZZ-motifであるという知見は新しく、DGとの結合様式を改めて考え直す機会を与えた。 興味深いことに、ヒトジストロフィノパチー患者において同定された点変異のうち、EF-hand内にある点変異や、ZZ-motif内にある点変異を有するDp71タンパクはDGとの結合能が消失し、細胞内局在異常や低リン酸化状態、ならびに蛋白の不安定化をもたらすことを明らかにし、ヒト神経筋疾患ジストロフィノパチー病態にDG依存的なDp71分子制御異常が関与することを示唆した。
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