2019 Fiscal Year Research-status Report
Role of mitochondrial gene mutations for the development of early-onset familial diabetes
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18K07895
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Research Institution | Osaka City General Hospital |
Principal Investigator |
依藤 亨 地方独立行政法人大阪市民病院機構大阪市立総合医療センター(臨床研究センター), 臨床研究センター, 部長 (60220779)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 糖尿病 / 遺伝子 / ミトコンドリア |
Outline of Annual Research Achievements |
単一遺伝子性糖尿病のうち、若年発症優性遺伝性糖尿病(MODY)が疑われる患者のうち、既知の高頻度MODY遺伝子(HNF1A, HNF4A, HNF1B, GCK)に変異を認めない症例におけるミトコンドリア遺伝子異常の役割を検討する課題である。2019年度は引き続き対象検体の収集を行いインフォームドコンセントを得たうえで、434例の家系発端者を収集し、このうちからミトコンドリア遺伝子解析の対象を同定するための既知MODY遺伝子の解析を行った。結果として、うち163例に既知遺伝子変異を同定したため対象検体は271例となった。この過程で上記の高頻度MODY遺伝子以外に従来新生児糖尿病の原因遺伝子とされてきたABCC8,KCNJ11変異をもつものが4%程度含まれることが明らかになった。うち一部は新生児低血糖症をきたす変異とされており、従来の知見と異なる結果であった(2019 IDF学術集会で発表、論文作成中)。また、ミトコンドリア遺伝子を3つの断片に分けてその全長をPCR増幅し、次世代シーケンスで解析する系を確立した。昨年度までの課題であった一部でシーケンス深度が低下する問題は回避できたため、上記検体を一部で解析を行った。コントロールとして既知MODY遺伝子に変異をもつ症例を用いた。シーケンス深度500以上1%以上のヘテロプラスミーを検出することとした。対象、コントロール各12例の検討では、双方に共通に見られるヘテロプラスミーのほか、対象にのみ見られるヘテロプラスミーを検出した。それぞれ一塩基置換でミトコンドリアゲノムの広範囲に2-16%のヘテロプラスミーとして検出した。若年発症2型糖尿病の発症にミトコンドリア遺伝子異常が関与する可能性を示唆するものと考えられた。最終年度は今まで収集された検体を用いて多数検体の解析を行うとともに同定された変異の機能を解析する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
同定された変異が想定外に広範囲にわたり、解析にあたって機能との関連付けに困難が予想されるが、研究は当初のスケジュール通り進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
検体数は十分確保できたため、当初の計画通りミトコンドリア遺伝子の大規模な検討を行う。また、過程で得られたABCC8,KCNJ11遺伝子変異のMODY様糖尿病発症への関与についても並行して検討を進める。
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Causes of Carryover |
2019年度は検体収集と実験系の確立を行ったため、比較的経費が少なく済んだが、最終年度は本実験に入るためより多い経費が必要。
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Research Products
(7 results)