2018 Fiscal Year Research-status Report
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18K07912
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
田浦 直太 長崎大学, 病院(医学系), 准教授 (40380860)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有馬 和彦 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 講師 (30423635)
山下 利佳 長崎大学, 病院(歯学系), 講師 (50336179)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 地域連携ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
フレイルにおいて、口腔内環境の向上、骨格筋量、良質な睡眠が健康寿命や介護予防に重要であると認識されている。地域ネットワークである「あじさいネット」参加施設34病院、337診療所に登録された77,435症例を対象とし、患者背景因子、採血検尿結果、歯肉・歯の状態、処方内容を臨床検査データ自動蓄積システムにてリアルワールドデータを集積することを目指した。フレイルの頻度、栄養状態、合併疾患別の健康寿命・予後を解明する。現状におけるフレイルの頻度・治療効果・予後など臨床病態についての理解が深まることは、病態の把握に貢献するのみならず、慢性肝疾患、慢性腎不全やCOPDなど他の内臓疾患に対するフレイルの新展開に繋がる意義を持っている。また、フレイルに対するリアルワールドデータを活用した疫学的調査はこれまでない。リアルワールドデータと地域ネットワークを活用した疫学調査が普及することにより詳細な疫学的調査が可能となることが期待される。 まず、テストケースとしてData Warehouse(DWH)を使用し長崎大学病院におけるフレイルの頻度抽出を行い、それらの症例における慢性肝疾患、慢性腎不全やCOPDなどの有病率を検討中である。また、あじさいネットにおける情報提供病院にGatewayの設置および各病院のデータ収集について説明を行い同意を得た。それに平行し、各病院の検査データのコード作成を行い収集システムを作成中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
地域ネットワークによるフレイルと肝疾患との関連へ変更しビックデータを活用しフレイルの頻度、肝疾患との関連について検討を行う。その際の環境設定を現在作成中である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究を実施するために使用する研究施設・設備・研究資料等、現在の研究環境の状況である長崎大学の研究施設を使用する。また、長崎大学病院医療情報部が中心となりICTを用いた地域医療ネットワーク「あじさいネット」を活用する。あじさいネットは全国各地の取組みの中でも、最も臨床医療の中に定着した成功例であり、一般的な診療情報共有による診療連携だけでなく、様々な診療支援機能を追加することでさらに機能を充実しつつある。「あじさいネット」は、様々な機能をITベンダーと協力して開発してきており、すでに遠隔画像診断システム、カンファランス中継システム、周産期診療支援システム等を稼働させ多くの医療従事者が利用している。このため専門医が専門診療の中で、検査や診察の結果判断する再検査や入院判断等の根拠をシステム化し専門医が負担なく遠隔モニタリングできオンラインで診療所医師を支援できる地域連携パスの開発に着手した。すでに臨床検査データの蓄積と本システムへの自動格納は実装済である。「あじさいネット」に対し遠隔モニタリング機能を実装した地域ネットワーク型連携パスの開発、歯科介入スクリーニングシートの開発を行う。
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Causes of Carryover |
当初より計画の進捗状況が遅れており、本年度購入予定であったコンピューター等の物品が購入できていない。次年度にネットワークシステムの構築および検査データ収集開始を予定している。その際必要となるコンピューター・ソフトに対し使用予定である。
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