2018 Fiscal Year Research-status Report
Utilization of organoid culture system for pancreatic cancer genome analysis
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18K07918
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
樋口 肇 国際医療福祉大学, 医学部, 主任教授 (20306682)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 克仁 国際医療福祉大学, 国際医療福祉大学三田病院, 教授 (40211338)
潮見 隆之 国際医療福祉大学, 医学部, 教授 (80348797)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 膵癌 / ゲノム医療 / オルガノイド |
Outline of Annual Research Achievements |
膵癌に対するゲノム解析研究が行われているが、腫瘍組織中の間質細胞量が多く腫瘍細胞数が比較的少ない膵癌では良好な解析結果を得ることは必ずしも容易ではない。本申請研究の目的は、ヒト膵癌における初代オルガノイド培養系を確立し、膵癌ゲノム医療における遺伝子解析ならびに生物学的特性の解析に応用することである。オルガノイド培養を併用した遺伝子解析の利点は、①腫瘍細胞含有率の高い検体を得ることにより正確な遺伝子解析を行うことが可能となること、②腫瘍組織中に含まれるがん細胞の遺伝学的多様性を個々に解析することが出来ること、③得られた遺伝子解析結果より導き出される治療薬の効果をin vitroで評価することが可能となることである。本年度は、ヒト膵癌組織由来の検体を用いて、膵癌オルガノイド培養系を確立した。3次元培養法を用いて、膵癌細胞由来オルガノイドを効率よく培養できる培養系を確立した。さらに、オルガノイド培養由来の細胞から、純度の高い膵癌細胞由来DNA検体を調整することに成功した。今後、得られたDNA検体を用いて全エキソーム解析を行い、同時に採取された末梢血由来DNA検体との比較検討により、腫瘍細胞特異的な遺伝子変異を検出する。また、オルガノイド培養系を用いて薬剤感受性を評価するために、定量的薬物感受性試験の開発を行っている。これらのアッセイ系の確立により薬物感受性あるいは分子標的治療薬に対する感受性と遺伝子変異の関連を解析することが可能となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の一部は、海外の研究施設との共同研究として進行しており、研究計画の検討及び研究資料の輸送などに時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
オルガノイド培養系を用いて、解析可能な品質のゲノムDNAを採取することに成功した。今後は、得られた検体に対して全ゲノム解析を行い、有意なドライバー遺伝子の同定や、薬物感受性規定遺伝子の同定を行う予定である。 ゲノム遺伝子解析によって得られた結果に応じて、オルガノイド培養系における検証実験(薬物感受性の検討など)を追加、あるいは変更する可能性がある。
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Causes of Carryover |
初年度における膵癌オルガノイド検体の採取、調整、培養、などの作業は、共同研究施設である米国Mayo clinicにおいて行われた。検体は郵送により国際医療福祉大学へ届けられ、保管されている。今後NGSによりゲノムシーケンス解析を行う予定であるが、解析に要する費用を含めて、次年度使用額として執行する予定である。 前年度に行う予定であったゲノムシーケンス解析が延期となり、次年度に解析を行う予定となったため、次年度使用額が発生いたしました。
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