2018 Fiscal Year Research-status Report
Clinical efficacy of endoscopic hand suturing and development for new techniques of therapeutic endoscopy
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18K07919
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
後藤 修 日本医科大学, 医学部, 講師 (00589658)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 内視鏡的手縫い縫合法 / 内視鏡的粘膜下層剥離術 / ESD後出血 / トラクション |
Outline of Annual Research Achievements |
内視鏡的手縫い縫合法(endoscopic hand suturing: EHS)を用いた安全な内視鏡治療の確立および新しい治療手技の開発を目的として、以下の課題を検討した。 ①大腸内視鏡的粘膜下層剥離術 (endoscopic submucosal dissection: ESD) 後EHSの実行可能性に関する探索的臨床研究を施行した。研究協力者の所属する施設にて11例がエントリーし、術中穿孔1例と病変切除後にアプローチ不能となった1例を除く9例に対してEHSを施行、89%で縫合を完遂し、78%で術後3-4日目時点で縫合が維持されており、大腸においてもEHSが技術的に可能であることを実証した。研究内容を国内外の主要な学会に応募し採択された。 ②胃ESDにおけるEHSの実行可能性に関する多施設共同臨床研究を開始した。3施設共同で計30例のエントリーを予定している。2019年4月時点で21/30例(70%)のエントリーが終了、順調に推移している。 ③EHSを用いた胃ESD時の病変吊り上げ法(トラクションESD)に関する動物実験を施行した。生体ブタの胃内にトラクションESD群/通常ESD群各5例の仮想病変を作成し、粘膜下層剥離に要する時間を比較した結果、EHSにて病変にトラクションをかけることで粘膜下層剥離時間が優位に短縮することを示した。研究内容を国内外の主要な学会に応募し採択された。 各検討課題において概ね順調に推移している。今後、大腸および胃ESD後EHSの有効性に関する多施設共同単アーム探索的臨床研究を計画している。また、胃におけるEHSを用いたトラクションESDの有用性に関する前向き臨床研究を検討することとしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H30年度より研究代表者が異動した影響で研究計画にマイナーチェンジが生じたものの、メインの臨床研究を主体として概ね予定通りに推移している。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、ESD後EHSの実行可能性評価試験を振り返り、対象症例の絞り込みや手技の技術的向上の工夫を検討する。そのうえで、大腸、胃ともにESD後EHSの有効性に関する多施設共同単アーム探索的臨床研究を計画し、参加施設の選定を行う。同時に、本法を先進医療として申請することを検討する。 一方、EHSを用いた新しい内視鏡治療手技の開発に関しては、トラクションESDに関する動物実験の結果を参照し、その有用性を評価するための適切な臨床試験デザインを検討し、プロトコールを作成する。また、EHSを用いた全層切除法に関するさまざまな検討を継続し、より実行可能な手技を模索する。
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Causes of Carryover |
当初、共同研究施設に対する謝金を当該年度の予算として計上していたが、臨床試験の推進に若干の遅れが生じ、結果的に支払いのタイミングが次年度にずれ込んだため、当該年度の予算に余剰が生じた。次年度初めには試験が終了するため、予定通り謝金として使用する予定である。
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Research Products
(3 results)