2020 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the pathological mechanism of obesity-related liver cancer and development of the new treatment methods, focusing on secretory factors from hepatic stellate cells
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18K07924
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Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
冨田 謙吾 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 病院, 准教授 (50317129)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 肝がん / 肥満 / 肝星細胞 / ACLP / Wnt |
Outline of Annual Research Achievements |
非アルコール性脂肪肝炎(Nonalcoholic steatohepatitis: NASH) は肥満を背景とし進展する疾患であるが、近年肝がん合併症例が増加の一途を辿り。その病態機序解明とそれに基づく治療法の開発は、喫緊の課題である。 肝星細胞は肝がん細胞の周囲微小環境の構成因子であり、肝がん発症への関与が示唆されている。 肥満肝がんマウスモデルを用いた解析では、肥満に伴い、肝星細胞特異的にACLP (Aortic carboxypeptidase-like protein) の分泌が促進していた。さらに、肝星細胞特異的ACLP欠損マウスでは、複数の肥満肝がんマウスモデルにおいて、肝がんの発生が有意に抑制されていた。ACLPは、Wnt/βカテニンシグナルを増強する新規のWntリガンドであるが、Wnt/βカテニンシグナルの活性化を介して肝がん細胞の増殖を促進させることが明らかとなった。さらに血清・肝臓組織・分離した肝星細胞を用い、リピドミクス解析・プロテオーム解析・メタボロミクス解析を進め、詳細な病態機序の探索を施行している。また、RNA-seq解析により網羅的にmRNA、miRNAの発現変動を検討しパスウエイ解析もおこなう事により、肝星細胞でのACLP産生・分泌シグナルを網羅的に解析している。 他方、非アルコール性脂肪肝炎患者で認められる、肥満を背景とする肝がん発症・進展の病態において、肝星細胞由来のACLPが肝がん発症を促進する病態機序を解明するため、免疫組織学的検討・レーザーマイクロダイゼクション法・RNA-seq解析を組み合わせ、ヒト検体を用いた解析を進めている。
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Research Products
(10 results)