2019 Fiscal Year Research-status Report
日本人の遺伝背景を考慮した免疫細胞eQTLによる炎症性腸疾患関連遺伝子の機能解析
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18K07929
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
木内 喜孝 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 教授 (20250780)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角田 洋一 東北大学, 大学病院, 助教 (50509205)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 炎症性腸疾患 / クローン病 / 潰瘍性大腸炎 / eQTL / 疾患感受性遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請者は日本人炎症性腸疾患(IBD)におけるGWASをJAPONICA ARRAYを用いて行い、複数の疾患感受性遺伝子多型を既に同定している。しかし、同定された遺伝子多型のほとんどがアミノ酸置換のない多型で、周囲の遺伝子発現制御を介して発病に関わると推測されている。同定された遺伝子多型がどの遺伝子発現を介して発病につながるのかを解明するためにはeQTL(expression Quantitative Trait Locus,遺伝子発現に影響を及ぼすとされるゲノム上の位置)データベースとアリル特異的発現データベースが必要である。しかし、遺伝子発現は細胞種・条件・遺伝的背景による違いがあり、それらを合致させた条件でのデータベースが必須である。本研究では日本人IBD患者の腸管の免疫担当細胞を採取し日本人固有の遺伝的背景を考慮した世界発のeQTL+アリル特異的発現データベースを作成し、日本人IBDの疾患感受性遺伝子/領域及びその機能を同定することが目的である。 アリル特異的発現の比較は、通常のGenotype別の比較に比べて、SNPのcisな働きをヘテロ患者の同一検体内での比較で行うため、他の要因(trans)の影響がなく、かなり少数の検体数(n=10程度)であっても十分にSNPの発現に対する影響が評価できる。近年盛に行われるようになった次世代シーケンサーを用いたRNAシーケンスはアリル特異的発現の比較が可能であることから、これを組み合わせることでより確かなeQTLデータベースを作成することができる。平成30年、令和元年とクローン病15例、潰瘍性大腸炎5例から検体採取を行い、RNAシークエンシング、genotyping、eQTL解析、トランスクリプトームワイド関連解析(TWAS)を行い、現在データ解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
既に必要なデータは収集し、解析を現在行っている。令和2年度内に予定通り研究は終了する見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
データを解析し、解析結果を論文にまとめることが令和2年度の仕事である。
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Causes of Carryover |
当初27例の検体について解析を加える予定であったが、検体のRNAのqualityの問題で、解析検体数が20例と減ったことにより、35,274円の研究費を翌年に繰り越した。次年度に繰り越した研究費は、取得データの再現性を確認する作業に用いる予定である。
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