2018 Fiscal Year Research-status Report
マウスモデルを用いた膵臓癌における宿主免疫応答解明による新規免疫療法の開発
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18K07935
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小村 卓也 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (90623322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 佳夫 金沢大学, 医学系, 准教授 (80401925)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 膵臓癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
膵臓癌モデルに関しては、マウス膵臓癌細胞株PAN02(NCI, Frederick)をC57 BL/6Jマウス(8週齢、雌)を接種し、組織学的に線維化に富む腫瘍を確立させた。この膵臓癌マウスモデルにおける全身における宿主免疫応答に関しては、末梢血液および脾細胞を採取し、免疫担当細胞をFlow cytometry(FCM)にて解析した。また、癌局所の免疫応答に関しては、腹腔内に播種した腫瘍組織における腫瘍浸潤炎症細胞(TIC)に関して、FCMおよび免疫組織化学法(IHC)にて炎症状態を解析した。宿主の免疫状態について、末梢血液、脾細胞およびTICにおいて、CD11b+ Gr-1+細胞頻度の増加を認めた。膵臓癌に対するFirst lineの抗癌剤であるGemcitabine投与によって、全生存期間が改善することを確認した。また、Gemcitabine投与により、末梢血液、脾細胞、TICにおいて、担癌状態で増加していたCD11b+ Gr-1+細胞頻度が低下していた。また、IHCによる腫瘍組織へのGr-1陽性細胞の減少を認めた。 以上の事象により、膵臓癌状態における宿主の免疫状態の変化ならびに、抗癌剤投与による宿主免疫応答の変化を掌握することができた。 今後は、これらの免疫応答の変化に応じた、癌免疫療法のくみあわせや、私的投与量や投与スケジュールにつき検討することにより、新たな臨床的に有用な治療法を創造する可能性があると考える。その基盤となりうる治験が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プレリミナリーの検討を今まで積み重ねており、マウスモデルも確立しており、また、手技も過去の他研究で確立されているため、順調に進んでいると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
現在のペースで継続して研究を行っていくことが重要である。 また、今後は、いろいろな最新の知見を組み込んで、新しい膵臓癌治療の開発を行う必要があるので、視野広く多くの最新の知識をえることも重要であると考える。
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Causes of Carryover |
今後、以前からの予定されていた研究を遂行するにあたり、物品購買および学会参加により次年度に上記の使用額の使用を予定している
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Research Products
(1 results)