2021 Fiscal Year Annual Research Report
Effect of MCP-1 and sSiglec9 in the animal models of acute liver failure
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18K07936
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石上 雅敏 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (90378042)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 肝再生 / マクロファージ / 炎症-再生相関 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、MCP-1+sSigilec-9の汎用性を検討するために、薬剤性肝障害のモデルであるアセトアミノフェン誘発急性肝不全マウスを用いて検討を行った。まずはC57BL/6マウスに対する投与量設定として、100,300,500mg/kgの腹腔内投与を行った所、100mg/kgでは全例生存、300mg/kgでは投与72時間時点から8匹中4匹死亡、500mg/kgでは投与24時間ですでに7匹中6匹死亡し、72時間後には全例死亡していた。血清ALT値は投与後24時間くらいにピークが見られたため、以後の実験は300mg/kg投与、24時間での検討を行うこととした。TNF-α、IL-1β等の炎症性サイトカインは投与後12時間~24時間と炎症のピークに一致して上昇するのに対して、CD206、CD163などの抑制性マクロファージマーカー、炎症抑制性サイトカインであるTGF-βは遅れて上昇する傾向にあった。 そこで治療介入として投与12時間後に2因子を投与、controlと比較したが、残念ながら血清ALT値、サイトカイン、炎症抑制性マクロファージの発現、HGFの発現には両群で大きな差は認められなかった。また、効果発現までの時間も考慮してアセトアミノフェン投与後1,3時間、および二因子以外の効果を見るためにSHED-CM(歯髄由来幹細胞)も投与してみたが有意な差を認めることができなかった。 また、マウス由来のマクロファージをSHED-CMと2因子の刺激で比較すると、TNF-α抑制作用は同等であったのに対し、HGF分泌促進作用は2因子での刺激の方がSHED-CMでの刺激よりも大きかった。 これらの結果から、MCP-1+sSiglec-9の2因子はマクロファージを介したHGF分泌により肝再生促進に働く可能性はあるものの、肝障害モデル間でその効果はかなり違う可能性が示唆された。
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