2020 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation on prediction for medical treatment response to advanced hepatocellular carcinoma
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18K07945
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
田中 基彦 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特定研究員 (20346985)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 丈久 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (20634843)
直江 秀昭 熊本大学, 病院, 講師 (30599246)
佐々木 裕 熊本大学, 病院, 非常勤診療医師 (70235282)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 肝細胞癌 / ソラフェニブ / バイオマーカー / 分子標的治療薬 / 治療抵抗性 / Clusterin / CLU |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、進行肝細胞癌の治療において一次治療・二次治療といった逐次治療が可能となった。しかし、一次治療が増悪した際に、二次治療の治療薬選択、治療適格の判断については明確な見解がない。 二次治療の標準的治療薬の1つであるソラフェニブ(SFN)はその治療効果の予想因子や、薬剤耐性機序に関して未知な部分が多い。我々はSFN投与開始3ヶ月後の治療効果を画像検査の結果により奏効群 (Responder群:R群)、治療抵抗群(Non-Responder群:NR群)に分類し、NR群の寄与因子として血清タンパク質であるCLU, VCAM1, AFPを同定した。また、この三者を用いてNR群帰属に関する予測式(NR-index)を作成し、他コホートでも検証した。以上より、血清CLU濃度の変化とCLUに関連したNR-indexによりSFN治療効果を早期に予測し得ることが示唆された。 2020年度は基礎領域の解析に注力し、樹立したSFN耐性HepG2細胞株(HepG2SR細胞)にSFN投与すると、NR群患者と同様にCLU発現が上昇することを確認した。HepG2SR細胞を用いた実験で、PI3K/mTOR阻害薬で増殖抑制効果とCLU発現抑制効果が生じることを見出し、さらにCLU発現変化の原因となっている転写因子を同定した。本知見は論文投稿中である。 加えてSFN治療症例の臨床データの解析を詳細に解析し、SFN治療開始時のmodified ALBI (mALBI) gradeとChild-Pugh scoreの組み合わせによる肝機能評価が、治療増悪時にその次治療のレゴラフェニブ、ラムシルマブ、カボサンチニブ等別の分子標的治療薬を用いた治療に適格となるか、を予測する際に有用であることを示した。本知見は論文として公開した。
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Research Products
(10 results)