2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of comprehensive analysis system for chemopreventive effect of colon tumor using organoid
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18K07950
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
日暮 琢磨 横浜市立大学, 附属病院, 講師 (90622580)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 大腸発癌 / オルガノイド / 化学予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
大腸癌患者より同意をえて、大腸癌、大腸腺腫、SSA/P、正常上皮細胞からそれぞれオルガノイドを作成し、その手法を確立した。 作成したオルガノイドを用いて、大腸発癌予防にエビデンスのあるアスピリンを用いて、発癌予防効果を検討した。具体的には、細胞数の変化、蛋白、遺伝子発現の変化、免疫染色を用いた組織学的変化を網羅的に解析を行った。さらに作成した各種オルガノイドを用いてアスピリンが大腸発癌のどの発癌過程にどのように働くのかを詳細に解析をしている。 結果は、アスピリンは大腸癌、大腸腺腫、SSA/P、正常上皮のすべてにおいて細胞増殖を抑制したが、もっとも効果が大きかったのは、大腸癌オルガノイドに対してであった。これは、大腸癌は発癌過程が進行していくにしたがって、COX-2の発現が増えていくため、COX-2依存性に効果が強まったことが予想された。しかし、COX-2がほとんど発現していない正常上皮に対しても増殖抑制効果は認めたため、COX-2非依存性に抑制するカスケードも存在することが予想された。アスピリンは濃度依存性に細胞増殖抑制効果を示したが、ある濃度からは薬効というよりは細胞毒性により細胞増殖を抑制しているようであり、これはvivoにおける副作用として現れるものであるため、有効性を示す最小濃度を検討する必要がある。 今後は、化学予防効果が期待されるメトホルミンなどの他の薬剤も検討していく予定である。また腸内細菌との共培養などの新しいモデルの開発も進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り概ね進行している
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Strategy for Future Research Activity |
今後は新たに採択された2019年度 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))を用いてマサーチューセッツ総合病院のAndrew T chan教授とアスピリン、メトホルミンの組み合わせを検討する化学予防試験へと発展させていく予定である。
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Causes of Carryover |
残額は次年度の助成金と併せて物品購入などに充てる予定である
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Research Products
(3 results)