2018 Fiscal Year Research-status Report
B型肝炎ウイルス増殖におけるユビキチン・プロテアソーム系の役割の解析
Project/Area Number |
18K07961
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 康雄 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40422290)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
建石 良介 東京大学, 医学部附属病院, 特任講師 (50444089)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | HBV / HBV Xタンパク / ユビキチン・プロテアソーム系 / ユビキチンリガーゼ / CUL4-DDB1 |
Outline of Annual Research Achievements |
B型肝炎ウイルス(HBV)のXタンパク(HBx)はユビキチンリガーゼCUL4-DDB1と複合体を形成し、増殖に抑制的に働く宿主因子をユビキチン化・分解する可能性が示されており、新たな薬剤標的として注目されている。本研究では、HBV複製におけるユビキチン・プロテアソーム系の関与を包括的に理解することにより、新規抗ウイルス療法の開発を目標とする。 本年度は、HBx (R96E)に特異的に結合する宿主因子の同定をタンデムアフィニティー法と質量分析を用いて試みた。2種類のアフィニティータグ (mycとflag) とTEVプロテアーゼによる切断部位を直列につないだ複合体型タグを組み込んだHBx野生型及びDDB1に結合しない変異体(R96E)の発現プラスミドを293T細胞に導入し、タグに対する抗体を用いてHBx複合体を2段階精製し、HBx結合蛋白をゲルから切り出し、質量分析計にてタンパクを同定した。DDB1はHBx(WT)には結合するものの、HBx(R96E)には結合しないことを確認した。さらにHBx(R96E)に特異的なバンドのうち一つからは、DDX1(ATP-dependent RNA helicase DDX1)というDEAD-box型RNAヘリカーゼの一つが同定された。本分子は、ATP加水分解のエネルギーを用いてヘリケースとして働き、RNAのスプライシング、核外輸送や安定化に関与している。他のウイルスであるヒト免疫不全ウイルスやJCウイルスの複製を正に制御していることが知られており、今後そのユビキチン化の標的としての可能性、また、本分子の機能解析を行う。さらに他に同定された分子についても同様の検討を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は質量分析を用いてHBxに結合する宿主因子を複数個同定し、CUL4-DDB1の基質としての可能性も検討を開始している。計画は順調に進んでいると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は引き続き質量分析を用いたHBx-CUL4-DDB1による特異的基質の同定と機能解析を継続し、さらにプロテインアレイを用いたHBxにより誘導されるユビキチン化基質の同定を開始する。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Isocitrate dehydrogenase 1 mutation sensitizes intrahepatic cholangiocarcinoma to the BET inhibitor JQ1.2018
Author(s)
Fujiwara H, Tateishi K, Kato H, Nakatsuka T, Yamamoto K, Tanaka Y, Ijichi H, Takahara N, Mizuno S, Kogure H, Matsubara S, Nakai Y, Koike K.
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Journal Title
Cancer Sci.
Volume: 109
Pages: 3602-3610
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] CPT2 downregulation adapts HCC to lipid-rich environment and promotes carcinogenesis via acylcarnitine accumulation in obesity.2018
Author(s)
Fujiwara N, Nakagawa H, Enooku K, Kudo Y, Hayata Y, Nakatsuka T, Tanaka Y, Tateishi R, Hikiba Y, Misumi K, Tanaka M, Hayashi A, Shibahara J, Fukayama M, Arita J, Hasegawa K, Hirschfield H, Hoshida Y, Hirata Y, Otsuka M, Tateishi K, Koike K.
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Journal Title
Gut.
Volume: 67
Pages: 1493-1504
DOI
Peer Reviewed
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