2020 Fiscal Year Annual Research Report
Analyses of antiviral mechanisms by interferon treatment on hepatitis B virus replication
Project/Area Number |
18K07973
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
柘植 雅貴 広島大学, 自然科学研究支援開発センター, 助教 (50448263)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | B型肝炎 / インターフェロン / ヒト肝細胞キメラマウス / 抗ウイルス効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
HepG2細胞にPEG-IFNα2a 100ng/mlもしくはPEG-IFNβ 1ng/mlを添加し、24時間後の細胞内のインターフェロン誘導遺伝子(ISGs)発現量をreal time PCRにて定量し、PEG-IFN非添加細胞での発現量と比較した。その結果、両PEG-IFN添加に伴うISGs誘導は、約61%のISGsでほぼ同程度の誘導であったのに対し、34%の遺伝子ではPEG-IFNα2aに比してPEG-IFNβ添加において、より強く誘導能の変化が生じることが明らかとなった。 一方、HepG2細胞由来のHBV持続発現細胞を用いて同様の検討を行ったところ、一部のISGsではHepG2細胞使用時と同等の発現誘導変化が認められたものの、HBV発現に伴いその誘導能が明らかに正または負の方向に制御されるISGsが多数存在することが明らかとなった。このことから、HBV発現に伴うISGs誘導能の変化がHBVのIFN治療抵抗性に関与している可能性が考えられた。 そこで、HBV感染に伴いIFNによる誘導が変化した遺伝子のうち、HBV感染に伴い有意な発現変化を認めた遺伝子Aに着目し、さらに研究を進めた。その結果、遺伝子AはHBV感染に伴い有意に発現亢進し、核酸アナログ投与などによるHBV増殖抑制により発現が減弱することが明らかとなり、その発現制御にはHBx蛋白が関与していることも明らかとなった。さらに、同遺伝子の発現が亢進すると生体内の免疫応答を抑制することが明らかとなった。 これらの結果から、本遺伝子は、HBV感染に伴い活性化する生体内の免疫応答やインターフェロンにより活性化された免疫応答を回避し、HBV感染維持に関与しているものと考えられた。
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Research Products
(9 results)