2020 Fiscal Year Annual Research Report
Metabolic switch of macrophages infiltrating injured liver, which regulates fibrosis and fibrolysis.
Project/Area Number |
18K07976
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
井戸 章雄 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (30291545)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 肝再生 / M1 マクロファージ / M2 マクロファージ / 肝細胞増殖因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
背景:マクロファージは微小環境、種々のサイトカインにより炎症性のM1や抗炎症性のM2に表現型を変化させ、組織再生、修復に寄与する。マクロファージにはHGFの受容体であるc-Metが発現しており、今後HGFを臨床応用する上でマクロファージに与える影響は無視できないと考え、HGF-MET signalingが骨髄細胞由来マクロファージの表現型および免疫代謝に与える影響について検討した。 方法:C57BL/6Jマウスの骨髄細胞をM-CSFにてマクロファージに分化させ(M0群)、IFN-gamma+LPSにてM1マクロファージ(M1群)、IL-4にてM2マクロファージ(M2群)を誘導した。これらの細胞を用いてRT-qPCR、WB、ELISAにより、c-Metの発現、HGF添加による表現型の変化、HGF添加による細胞内シグナル伝達の変化、細胞内シグナル伝達阻害剤を用いたHGF添加による細胞内シグナルの変化、免疫代謝に及ぼす影響について検討した。 結果:c-MetはM1群において有意に発現が亢進し、HGF添加により、M1マクロファージにおいてiNOS、TNF-alpha、IL-6 発現が低下し、Arg-1 発現亢進し、HGFはM1からM2マクロファージへの形質転換を誘導した。またこのHGFによる形質転換は、PI3K pathwayを介していた。このHGF-MET signalingを介したM1からM2への形質転換実験系を用いて免疫代謝を解析しているところである。 結論:令和2年度までの研究において、HGF-MET signalingはPI3K pathwayを介してArg-1を誘導しM1マクロファージからM2様マクロファージに形質転換させることを明らかにした。このM1からM2への形質転換実験系を用いて、HGFの免疫代謝に及ぼす影響の解析を進めている。
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