2018 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of invasive propagation of pancreatic cancer cells via exosomes and discovery of inhibitors of invasive propagation
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18K07983
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
島崎 猛夫 金沢医科大学, 総合医学研究所, 准教授 (50377420)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 聡子 金沢医科大学, 総合医学研究所, 助手 (00768161)
松尾 洋一 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (40381800)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | エクソソーム / 表面マーカー / 抗がん剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、エクソソームが癌の転移や化学療法抵抗性に重要な役割を担っており、浸潤性や治療耐性に関与するmicroRNA(miRNA)を含んだexosomeを介して全体の抗がん剤耐性や浸潤性を増加させていることを明らかにする研究であり、初年度は、解析系の確立及び基礎的な解析を中心に研究を行った。エクソソームの動態として、抗がん剤などの治療刺激により、その産生量や表面マーカーは影響を受けるか否かといった基本的な生物学的特性は十分に明らかにされていない。そこで、膵がん細胞と膵管由来正常細胞のエクソソーム表面マーカーに対する抗がん剤の影響を比較検討した。方法:ヒト膵がん細胞PANC-1と正常膵管上皮細胞PEを対象に,gemcitabine (GEM)と5-FUによるエクソソーム分泌数や細胞内局在の変化、エクソソーム表面マーカーCD9/63/81発現の変化を、粒度分布測定装置、ウエスタンブロット法、ELISA法を用いて検討した。エクソソームの局在を可視化するために、脂質膜染色剤及びCD63-GFP融合遺伝子発現細胞を用いた。抗がん剤の影響を分析するために、濃度IC80のGEMと5-FUを使用した。結果:PANC-1において、調整培地中のエクソソーム数は5-FUでは増加したものの、有意差は認めなかった。GEMではエクソソームは糸状突起の先端にも分布し、分泌量は約2倍に増加した。この条件で、同一エクソソーム数あたりで換算するとエクソソーム表面CD63/CD81発現量は低下していたが、同一細胞数あたりの換算では逆に増加していた。PEでは、CD9/CD81発現量は、抗がん剤により変化しなかった。結語:エクソソームの分布および量は抗がん剤により影響を受けることが明らかとなった。これらの結果を考慮すると、表面マーカーのみならず、エクソソーム内物質の解析には注意が必要と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞が分泌するエクソソームに関する基本的な動態解析を行うことができた。計画通りの進捗状況であり、概ね順調に推移している。
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Strategy for Future Research Activity |
評価系の構築ができたため、今後は、浸潤性や治療耐性に関与するmicroRNAなどの解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
研究の進展状況を鑑みて、一部次年度に計画を変更したために、予定額と使用額との差が生じました。
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