2018 Fiscal Year Research-status Report
新規遺伝子改変マウスモデルを用いた混合型肝癌の起源細胞・発生機序解明
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18K07994
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
内野 康志 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (00748725)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 勇人 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (00555609)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 混合型肝癌 / 肝細胞癌 / 細胞系譜解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
Axin2-CreERTマウスとRosa-LSL-Tomatoマウスを交配させ、タモキシフェン誘導性にZone3肝細胞を標識することによって、肝障害時の挙動と発癌起源としての可能性を探索した。既報同様Axin2陽性細胞は肝静脈周囲に存在していたが、その領域は週齢によって変化し、生後2wでは肝静脈域から門脈域に向かって約50%、生後3-4wでは約30%、生後5wでは約10%が標識されるのみとなることがわかった。そこで肝臓のzone3側1/3が標識される3週齢で遺伝子改変を誘導、様々な肝癌モデルを作成し、zone3肝細胞の細胞系譜解析を行った。これまでに化学発癌剤DENによるモデルの解析が概ね終了しており、腫瘍全体の約75%がzone3から発生し、3mmを越える腫瘍に限定すると90%以上がzone3由来であることを見出した。 またこれらの成熟肝細胞由来の肝細胞癌から混合型肝癌を誘導すべく、肝細胞癌特異的遺伝子改変誘導マウスの作成に着手、これまでにAFPプロモーター下にCreERTを発現するAFP-CreERTマウスを作成した。同マウスをRosa-LSL-Tomatoマウスと交配させ、肝臓でAFPを発現している若年齢マウスに対してタモキシフェンを投与したところ、AFP陽性細胞できちんと遺伝子改変が誘導されていることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.Axin2陽性zone3肝細胞の肝癌起源細胞としての可能性を検証するマウスモデルが順調に進行している。 2.AFP陽性細胞特異的に遺伝子改変を誘導できる、AFP-CreERTマウスの樹立に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
zone3肝細胞の肝障害時の挙動と発癌起源としての可能性について、さらに様々なモデルを用いて解析する。また新規に樹立したAFP-CreERTマウスを用いて、肝臓におけるAFP陽性細胞の意義について解析するとともに、肝細胞癌特異的遺伝子改変による混合型肝癌誘導についても着手する。
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