2018 Fiscal Year Research-status Report
Identification of the budding site of hepatitis B virus infectious particles (Dane particles)
Project/Area Number |
18K08004
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Research Institution | Konan Women's University |
Principal Investigator |
堀田 博 甲南女子大学, 医療栄養学部, 教授 (40116249)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | B型肝炎ウイルス(HBV) / 感染性粒子(Dane粒子) / エンベロープリン脂質 / 酵素親和性 / 出芽部位 / 多小胞体(MVB) / 小胞体(ER) / 電子顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
B型肝炎ウイルス(HBV)感染性粒子(Dane粒子)の生化学的性状に関して、特定のヘビ毒由来の分泌型ホスホリパーゼA2 (CM-II-sPLA2)がHBV粒子の感染性をどのように阻害するのかについて、C型肝炎ウイルス(HCV)と比較しながら検討した。 まず、sPLA2処理HBVの標的細胞への吸着は非処理対照HBVと同程度であることを明らかにした。一方、sPLA2処理HCVの標的細胞への吸着は非処理対照HCVに比べて著しく減弱した。密度勾配超遠心法によりウイルス粒子を分画したところ、sPLA2処理HCV粒子のピークは全く検出されないほど強く傷害されたと考えられたが、sPLA2処理HBV粒子のピークは少し密度が大きい方に移動したが、明瞭なピークは残存していた。電子顕微鏡ネガティブ染色法により、sPLA2処理HBV粒子は非処理HBV粒子とほぼ同様の粒子構造を保っていた。 次いで、sPLA2処理していないHBV粒子を4℃で標的細胞に吸着させた後に37℃で培養し、一定時間してからHBV吸着細胞をsPLA2で処理する実験では、37℃培養開始後40分以内にsPLA2処理を行った場合に、37℃培養開始直後のsPLA2処理の場合と同程度の強いHBV増殖阻害を示した。 以上の結果より、sPLA2はHBV粒子の細胞への吸着には有意の影響を及ぼさないが、その後の侵入・脱殻の過程を著しく阻害すると考えられた。 HBV感染性粒子の出芽部位を検討する目的で、小胞体(ER)機能に重要な役割を果たすことが知られているSEC24をsiRNAでノックダウンしたHBV複製細胞から分泌されるHBV粒子の量をHBV DNAを指標にして比較解析したが、ノックダウン細胞と対照細胞の間で有意な差は見られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
HBV粒子(Dane粒子)の感染性に及ぼすsPLA2の阻害作用を、HCV粒子と比較しつつ明らかにすることができた。また、密度勾配超遠心分画解析や電子顕微鏡ネガティブ染色解析により、HBV粒子とHCV粒子に及ぼすsPLA2の作用の違いを明確にすることができた。さらに、sPLA2のHBV阻害作用は、細胞への吸着過程ではなく、侵入・脱殻過程に及ぼされることを明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
ER-Golgi系分泌経路に重要な役割を果たしているSEC24 アイソフォームのsiRNAによるノックダウン実験をより確実に再現するとともに、MVB機能に重要な役割を果たしているATG5やTSG101を特異的siRNAによりノックダウンし、HBV複製細胞からのHBV感染性粒子の産生が抑制されるか否かについて調べる。同様に、U18666AなどのMVB阻害剤の影響についても調べる。これらの結果より、HBV感染性粒子の出芽におけるERやMVBの関与を考察する。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Peroxiredoxin 1, a novel HBx-interacting protein, interacts with exosome component 5 and negatively regulates hepatitis B virus (HBV) propagation through degradation of HBV RNA2019
Author(s)
Deng L, Gan X, Ito M, Chen M, Aly HH, Matsui C, Abe T, Watashi K, Wakita T, Suzuki T, Okamoto T, Matsuura Y, Mizokami M, Shoji I, Hotta H
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Journal Title
Journal of Virology
Volume: 93
Pages: e02203-e02218
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Comparative analysis of antiviral activity of sPLA2 against HBV and HCV2018
Author(s)
Hotta H, Chen M, Aoki-Utsubo C, Deng L, Miyayama Y, Hijikata M, Shindo K, Noda T, Kohara M, Watashi K, Wakita T
Organizer
2018 International HBV Meeting
Int'l Joint Research
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[Presentation] Effect of antiviral activity of sPLA2 against HBV and HCV2018
Author(s)
Miyayama Y, Chen M, Aoki-Utsubo C, Deng L, Shindo K, Noda T, Kohara M, Watashi K, Wakita T, Hijikata M, Hotta H
Organizer
第66回日本ウイルス学会学術集会
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