2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K08006
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
北村 晋志 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (60564490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高山 哲治 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (10284994)
佐藤 康史 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 特任教授 (80343383)
六車 直樹 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (90325283)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 胃癌 / バイオマーカー / 抗癌剤耐性 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト胃癌細胞を用いたDNAマイクロアレイによる解析によって胃癌の抗癌剤耐性に関与する可能性のある遺伝子を同定した。 EGR1の他PDGFB, AVPI1, CISH, PCGF3, ANTXR2, PLK2, ANXA5, ATP7B, FAM116A, HECAなどの遺伝子が拾い上げられており、これらの遺伝子について抗癌剤耐性との関連を調べるため、ヒト胃癌細胞株MKN45(HSRRB)を使用し、SiRNAを導入し、ノックダウン細胞を作製したうえで、現在の胃がん治療で頻用される抗癌剤である、docetaxel、CDDP、5FUの それぞれの薬剤について、MTT Assayにより胃癌細胞のviabilityからIC50を求め、negative controlと比較したIC50を測定し、薬剤耐性の変化について検討を行った。 本段階の実験では当初有用と考えられたEGR1では大きな変化は認めていなかったが、ANXA5のノックダウンにより5-FUのIC50がに低下した。また、PCGF3のノックダウンにより、DocetaxelのIC50が低下した。そしてCISHのノックダウンにより、5-FUのIC50が低下し、さらにPDGFβのノックダウンにより、5-FUのIC50が上昇していた。 siRNAを用いたMTT Assayでは、耐性遺伝子であるANXA5,PCGF3,CISHは遺伝子発現を抑制することで薬剤感受性が上昇し、感受性遺伝子であるPDGFβは遺伝子発現を抑制することで薬剤感受性が低下することが確認された。 これらの結果を踏まえ、EGR1単独の検討ではなく、EGR1およびPDGFB, AVPI1, CISH, PCGF3, ANTXR2, PLK2, ANXA5, ATP7B, FAM116A, HECAなどの遺伝子についてもSiRNAを導入実験を行い、薬剤耐性の変化について検討を行った。これらの遺伝子群の中で特定遺伝子について有用性が高い可能性が示唆されており、臨床検体にて発現率などについて検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
EGR1単独の検討では次の段階に進めた場合、EGR1の有用性が低いと判断された場合の無駄が大きいため、EGR1以外のPDGFB, AVPI1, CISH, PCGF3, ANTXR2, PLK2, ANXA5, ATP7B, FAM116A, HECAなどの遺伝子についてもSiRNAを導入実験を行い、薬剤耐性の変化について検討を行った。その結果これらの遺伝子群の中で有用性が高い可能性がある遺伝子が発見同定されており、臨床例、臨床検体での発現率を検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の実臨床での臨床応用も踏まえて、候補遺伝子の蛋白レベル発現率を検討する。具体的には血清で測定可能なものは血清で測定し、胃癌のみならず各種の癌種(消化器癌以外の癌種も含めて)での発現の状態を検討する。遺伝子の中には癌で発現が認められても癌起因する間接的な因子で上昇しているものも存在することが考えられるため、可能であれば炎症性腸疾患などの炎症性疾患、自己免疫性疾患などでの発現の有無について発現があるか否かを調べることも検討している。これらを踏まえて、臨床応用可能な新規腫瘍マーカー、癌の予後予測因子となり得るかについて検討を行う。
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Causes of Carryover |
予定していた学会参加を取りやめたこと、EGR1以外の遺伝子についても薬剤耐性の変化について検討を行ったため、試薬等の購入と委託検査の時期がずれ込み、次年度使用額が生じた。 研究計画に変更はなく、次年度使用額は、当初予定していた試薬等の購入および委託検査費用、学会参加旅費に充当し、計画通りに研究を進める。
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