2019 Fiscal Year Research-status Report
機能性消化管障害の新規治療標的の探索-粘膜内微小炎症による知覚受容の増強-
Project/Area Number |
18K08019
|
Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
近藤 隆 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (90594870)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三輪 洋人 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (80190833)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 機能性消化管疾患 / 内臓知覚過敏 |
Outline of Annual Research Achievements |
機能性胃腸障害の原因には生活上のストレスなどの心理的・社会的要因が病態に影響を及ぼしていると言われている.実際に動物実験では,出生直後に母親から分離し母子間の接触が断たれる母子分離(Maternal Separation: MS)ストレスにより,成長後に大腸知覚過敏を生じることから,MSストレス負荷ラットは過敏性腸症候群(IBS)モデルとして知られている.MSストレス負荷ラットでは,大腸のみならず上部消化管の知覚過敏も生じていることが想定されるが,胃の知覚に与える影響に関しては知られていない.今回、ラットを用いてMSストレスにより,成長後に胃知覚過敏が生じるのかどうかにつき検討した.結果として新生仔期のMSストレス負荷が,成長後の機械刺激に対する胃知覚過敏の発症に影響を与えることが判明した.MSストレス負荷ラットは,機能性ディスペプシアの患者に類似した胃知覚過敏を示す有用な病態モデルであると考える。さらに、MSストレス負荷ラットの十二指腸粘膜において、好酸球数が正常と比較して有意に多いことが判明した。今後、十二指腸粘膜の好酸球浸潤が内臓知覚過敏に影響を与えている可能性につき検討を行っていく。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、当該研究に関する論文を、英文学術誌に投稿中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後、MSストレス負荷ラットの十二指腸粘膜において認めた好酸球浸潤が、症状発現にどのように関与しているのかにつき解明していく予定である。
|
Causes of Carryover |
すでに購入していた物品等で2019年度の研究の遂行が可能であった為、次年度使用が生じた。次年度では特に、十二指腸の微細炎症と内臓知覚過敏との関連を解明するにあたり、各種抗体や試薬購入のために相当額の使用を計画している。
|
Research Products
(3 results)
-
[Presentation] Early-Life Adversity Inducesd Sex-Dependent Gastric Hyprsensitivity.2019
Author(s)
Shaoqi Duan, Takashi Kondo, Yanjing Yang, Shenglan Wang, Yoko Kogure, Tomoaki Kono, Katsuyuki Tozawa, Toshihiko Tomita, Tadayuki Oshima, Hirokazu Fukui, Jiro Watari, Yi Dai, Koichi Noguchi, Hiroto Miwa
Organizer
Digestive Disease Week, San Diego, CA, USA
Int'l Joint Research
-
-
[Presentation] Effect of Yokukansan, a traditional herbal medicine, on gastric hypersensitivity in a rodent model of functional dyspepsia2019
Author(s)
Takashi Kondo, Shaoqi Duan, Hirokazu Eda, Kumiko Nakamura, Akio Tamura, Tomoaki Ogawa, Takashisa Yamasaki, Tomoaki Kono, Katsuyuki Tozawa, Toshihiko Tomita, Tadayuki Oshima, Hirokazu Fukui, Jiro Watari, Yi Dai, Koichi Noguchi, Hiroto Miwa
Organizer
Asian Pacific Digestive Week(APDW)2019, Kolkata, India
Int'l Joint Research