2020 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the mechanism of liver fibrosis by Wnt-b-catenin pathway
Project/Area Number |
18K08021
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Komagome Hospital (Clinical research laboratory) |
Principal Investigator |
木村 公則 東京都立駒込病院(臨床研究室), 肝臓内科, 部長 (70397339)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 肝硬変 / 線維化 / Wntシグナル |
Outline of Annual Research Achievements |
国内で約20万人以上存在するHCV肝硬変、特にChild-Pugh (CP) score B以降の非代償性肝硬変に対する治療薬は存在せず予後不良であ り、新たな治療薬開発は喫緊の課題である。肝硬変に対する治療薬(抗線維化薬)は現在実用化されていない。肝硬変の進行は、蛋白 質合成などの肝臓の様々な機能の低下をもたらし、腹水や門脈圧亢進症等の合併症を誘発し治療に難渋することが多い。また肝硬変患 者は、高率に肝細胞がんを発症することから、新規の線維化を標的とした肝硬変治療薬を開発することは重要な課題である。Wntシグ ナルは成体の分化、細胞増殖に関与しており、発癌のメカニズムに重要な因子の一つである。最近、WntシグナルがTGF-bを介して線維 化にも関与していることが報告された。PRI-724は、Prism Pharmaが開発したWntシグナル伝達を阻害しβ-カテニンとCREB- binding proteinの蛋白相互作用を選択的に阻害できる化合物である。現在、米国で大腸癌等の固形腫瘍に対してがん臨床試験が開始されてい る。研究代表者らはHCV蛋白発現肝線維化マウスを用いてPRI-724の抗線維化作用を検討した結果、PRI-724投与群でコントロール群と 比較し肝線維化像において著しい改善が認められた。また四塩化炭素および胆管結紮を用いた線維化モデルを用いても、PRI-724投与 により抗線維化作用を認めた。PRI-724の作用機序として、肝星細胞の活性化を抑制することを見出し、Ly-6Clowマクロファージの関 与を示した。
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