2018 Fiscal Year Research-status Report
Role of alpha-defensins derived from the small intestine and gut microbiota in heart failure
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18K08022
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
横田 卓 北海道大学, 大学病院, 特任講師 (90374321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安斉 俊久 北海道大学, 医学研究院, 教授 (60232089)
綾部 時芳 北海道大学, 先端生命科学研究院, 教授 (90301019)
絹川 真太郎 北海道大学, 医学研究院, 講師 (60399871)
福島 新 北海道大学, 大学病院, 助教 (40706553)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | αディフェンシン / 腸内細菌 / 小腸 / 心不全 |
Outline of Annual Research Achievements |
心不全の発症・進展において全身の慢性炎症が重要な役割を果たしていることは広く知られており、全身の免疫に関わる腸内フローラの役割に関心が集まっている。本研究では、この腸内フローラを制御する抗菌ペプチドである小腸Paneth細胞由来αディフェンシン (HD5; human defensin-5) の役割に着目し、『心不全患者では小腸Paneth細胞由来αディフェンシンの産生量が低下しており、腸内環境の破綻”dysbiosis”が全身炎症を惹起し、心不全の進展に寄与する』という仮説を検証することを目的とし、基礎・臨床研究の両面から、心腸連関として心不全が腸内環境に及ぼす影響を評価することとした。 基礎研究については、心筋梗塞作成による心不全モデルマウスを用いて (対照群としてshamマウスを使用)、心筋梗塞発症後急性期および慢性期の心機能・梗塞サイズなどの評価を行う他、小腸Paneth細胞数、小腸Paneth細胞由来αディフェンシンの産生量、腸内細菌叢などの評価・解析を行い、心不全がdysbiosisを引き起こすメカニズムの解明を行う予定である。なお、現時点で心筋梗塞発症早期より小腸Paneth細胞数が減少していることが確認されている。 臨床研究については、2018年3月23日に「心不全における腸管上皮細胞由来αディフェンシンの役割」が北海道大学病院自主臨床研究審査委員会で承認され、研究を円滑に遂行するための準備も全て完了し、近日中に研究を開始する (UMIN ID: 000032796)。今後慢性心不全患者を対象に、便サンプルより小腸Paneth細胞由来αディフェンシンの量や腸内細菌叢などを評価する他、血液中のHD5の定量も行い、心不全の重症度との関連を調べる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基礎研究については、心不全モデルマウスにおいて、心筋梗塞発症早期より小腸Paneth細胞数が減少していることが確認され、今後小腸Paneth細胞由来αディフェンシンの産生量や腸内細菌叢の詳細な解析を行う予定である。 臨床研究については、北海道大学病院の倫理委員会で承認が得られ、近日中に研究を開始する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
基礎研究は概ね順調に研究が進んでいる。臨床研究についても、心不全患者が自宅で便サンプルを保管できる専用キットを使用することで来院時に便サンプルを容易に持参することが可能となり、臨床研究を開始するための準備が整った。
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Causes of Carryover |
臨床研究の開始時期がやや遅れたため次年度使用額が生じたが、臨床研究を開始するための準備が全て完了し、次年度に使用予定である。
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