2018 Fiscal Year Research-status Report
新規CF6関連老化抑制蛋白NM_026333の作用機序解明と創薬への応用
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18K08023
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
長内 智宏 弘前大学, 保健学研究科, 教授 (00169278)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | anti-aging / NM_026333 / coupling factor 6 / acidosis / channel |
Outline of Annual Research Achievements |
Coupling factor 6は核内酸性化による老化促進作用を有し、その原因蛋白質がNM_026333であることを背景に、標的分子と阻害薬の作用について検討した。 本研究で明らかにした第1点目は、NM_026333の標的分子チャネルを同定したことである。His-tag NM_026333を作製し、HEK293細胞に導入後、Talon beadを使用しNM_026333に結合している蛋白質を抽出した。種々のチャネルに対する抗体(TRPC3,TRPC6, Cav1,2,NCX1)を用いてWestern blotを行い、標的分子はNCX1であることを明らかにした。すなわちNM_026333は細胞膜に存在するNCX1に作用し、細胞内カルシウム濃度の調節に関与していることが明らかとなった。第2点目は、NM_026333の標的分子であるNCX1の阻害薬のアンチエイジング作用を確認したことである。NCX1阻害薬のSN-6をCF6過剰発現マウス線維芽細胞に投与後24-48時間で、老化のhallmarks (genomic instability, autophagy, epigenetics, telomere attrition) がすべて改善された。具体的には、核膜ラミン、エメリンの減少が改善され、LC3IIとP62の増加とAtg 7の減少が改善され、H3K4 me3とH4K20 me3の増加並びにH3K9 me3とH3K27 me3の減少がそれぞれ改善された。またテロメア長はPCR法により延長することが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度の計画は以下の通りであった。平成30年度で明らかにする第1点目は、NM_026333の標的分子チャネルを同定することである。標的分子は細胞膜に存在し、細胞内カルシウム濃度の調節に関与していると推測される。His-tag NM_026333を作製し、HEK293細胞に導入後、Talon beadを使用しNM_026333に結合している蛋白質を抽出する。その後種々のチャネルに対する抗体(TRPC3,TRPC6, Cav1,2, NCX1)を用いてWestern blot法で同定する。第2点目は、NM_026333の標的分子が同定された後、そのチャネル阻害薬を投与し、老化促進機序が抑制されるかを、CF6過剰発現マウス線維芽細胞に投与し、primary aging hallmarksを測定することにより明らかにする。 2018年度の研究成果として当初計画の第1点目と第2点目を明らかにすることができた。そのため、順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り進めていく予定である。 2019年度は、そのチャネル阻害薬がprimary aging hallmarksを抑制した場合、CF6過剰発現マウスに投与し、primary aging hallmarksの中のtelomere attrition に対する影響を、マウス眼窩から採血して得られた白血球ゲノムDNAを検体として、PCR法で測定し解明する。 2020年度は、NM_026333のリコンビナント蛋白を作成し、CF6過剰発現マウスに投与し、primary aging hallmarksの中のtelomere attrition に対する影響を、マウス眼窩から採血して得られた白血球ゲノムDNAを検体として、PCR法で測定し解明する。また、マウス老化抑制蛋白NM_026333に相当するヒト蛋白質を検索する。NCBIのBlastを用い、NM_026333がヒトで発現しているかどうかを明らかにする。仮に発現している場合は、その発現ベクターを作成し、CF6過剰発現マウス線維芽細胞に導入後primary aging hallmarksに及ぼす影響を検討する。
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Causes of Carryover |
研究がスムーズに進行したため、当初の予定額以下で初年度予定の研究成果が得られた。差額は次年度の研究計画遂行のため有効使用する予定である。
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[Journal Article] Spontaneous Micro-Aggregation of Platelets Predicts Clinical Outcome in Acute Ischemic Stroke2018
Author(s)
Kudoh R, Mikami K, Kitajima M, Aizu K, Kitajima Y, Hagii J, Metoki H, Seino S, Baba Y, Yasujima M, Osanai T.
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Journal Title
J Stroke Cerebrovasc Dis
Volume: 27
Pages: 2074-2081
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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