2019 Fiscal Year Research-status Report
心筋傷害と心筋保護に与えるミッドカインの作用機構の解明と新規心不全治療法の開発
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18K08025
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
宍戸 哲郎 山形大学, 医学部, 助教 (60400545)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 心不全 / 低酸素 / 腎臓病 |
Outline of Annual Research Achievements |
様々な要因により、心臓リモデリングが引き起こされる。加えて、非代償性心不全に陥ると、容易に再増悪をきたすことから、様々な要因が心臓に作用し、病的変化が重積するのではなく、いくつかの要因が直接相互作用することで、心筋細胞傷害を招いている可能性を明らかにすることとした。そのメカニズムとして、いくつかの要因により起こる全身、心臓の変化が、いくつかのステップで相互作用し進展する可能性を考えている。我々は、低酸素状態、活性酸素種、アンジオテンシン II などの刺激により、腎臓、肺からのミッドカイン産生が亢進することをウエスタンブロッティング法で確認した。加えて、これらの刺激により、マウス血中のミッドカイン濃度も上昇することを確認した。すなわち、心不全の原因となる様々な病的刺激、要因によって、腎臓や肺から分泌し、循環ミッドカインが亢進し心臓に作用する可能性を明らかにした。さらに左心性肺高血圧進展機序の解明と治療法の確立を目標に、低酸素性肺高血圧モデルを用いて肺血管リモデリングの機序を検討した。想定通り、ミッドカインノックアウトマウスでは、肺高血圧症が抑制されていた。ミッドカインシグナル亢進の機序解明に向け、細胞表面シャトルタンパク質に着目し、そのタンパクが低酸素で核膜から細胞膜へ移行すること、その後ミッドカインと結合することを明らかにし、心不全増悪時の肺高血圧進展機序に関与するミッドカインの効果を明らかにした。このことは、ミッドカインシグナルが心不全のみでなく左心性肺高血圧の治療としても効果が望めることから、新規治療法の開発につながる可能性があると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動物実験はおおむね順調にすすんでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
シャトルタンパクの意義を明らかにしていく必要がある。
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Causes of Carryover |
残金は、少額なので、次年度の消耗品購入に使用する予定です。
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[Journal Article] Cardiac Nuclear High-Mobility Group Box 1 Ameliorates Pathological Cardiac Hypertrophy by Inhibiting DNA Damage Response.2019
Author(s)
Takahashi T, Shishido T, Kinoshita D, Watanabe K, Toshima T, Sugai T, Narumi T, Otaki Y, Tamura H, Nishiyama S, Arimoto T, Takahashi H, Miyamoto T, Watanabe T, Woo CH, Abe JI, Takeishi Y, Kubota I, Watanabe M.
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Journal Title
JACC Basic Transl Sci.
Volume: 4
Pages: 234
DOI
Peer Reviewed
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