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2018 Fiscal Year Research-status Report

加齢に伴う食塩感受性高血圧発症機序の解明と新規治療戦略

Research Project

Project/Area Number 18K08028
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

河原崎 和歌子  東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任助教 (50424594)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2021-03-31
Keywords加齢 / 食塩感受性 / 高血圧 / Klotho
Outline of Annual Research Achievements

世界の先進諸国で高齢化が進み、世界一の高齢化社会である日本でも加齢に伴う疾患が増大し、改めて加齢という特殊で複合的な背景を考慮した有効な予防や治療法が求められている。高血圧は加齢とともに増加する疾患で、高齢者の重要な予後規定因子でもある。加齢に伴う高血圧は、食塩をほぼ摂取しない文化においては認められないことから、加齢に惹起される食塩感受性の亢進が要因として考えられるが、その発症機序は未解明である。1997年に抗加齢因子α-Klothoが発見され、加齢に伴う様々な身体変化や疾患発症、寿命延長に関わることが報告された。α-Klothoは腎臓で産生後、循環血中に分泌されて、ホルモンとして血管などの遠隔臓器に作用することが報告されているが、血清中のα‐Klothoは加齢とともに減少することが臨床研究で知られており、加齢に伴う血清中のα‐Klothoの減少が、食塩感受性の亢進や高血圧の発症に関わることが推察された。しかし、α‐Klotho蛋白やKlotho遺伝子の補充が高血圧を抑制することを動物モデルで示した報告はあるが、血清α‐Klotho低下が食塩感受性を亢進する機序や、実際に加齢における高血圧の原因となりうるかについては未だ示されていなかった。
そこで申請者は、若年野生型のマウスと異なり、Klotho hetero KO(KO)マウスや加齢マウスでは血中のα-Klothoが著明に低下していることを示し、これらを用いて血中α-Klothoが減少している状況下では、高食塩摂取時に血管で、血管平滑筋収縮に関わるRhoA/ROCK系が活性化して血管収縮を増強し、食塩感受性高血圧を生じることを、telemetryや生化学的手法、生理実験にて立証した。また、これらはKlotho補充や、ROCK阻害薬投与によりは抑制されることを示し、引き続き詳細な機序につき検討している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

α-Klotho hetero KOマウスや加齢マウスへ高食塩負荷を行うと、若年野生型と異なり、高血圧が生じるが、α-Klotho補充やROCK阻害剤による介入で抑制されることを、telemetryを用いて検証した。また、α-Klotho欠乏下で血管におけるRhoA/ROCkが活性化する機序を血管の生化学的分析や生理実験で検証し、解明を進めることができた。

Strategy for Future Research Activity

α-Klotho欠乏下で血管RhoA/ROCK系が活性化する機序を、ヒト大動脈平滑筋細胞を用いて検証している。これにより、生体内で血清α-Klotho減少が惹起する食塩感受性高血圧の発症機序をより詳細に検討することができ、加齢に伴う高血圧に対する治療介入の新規標的を探求できると考えている。

Causes of Carryover

購入予定の試薬があったが、残額では不足するため、次年度の購入としたため。

  • Research Products

    (2 results)

All 2018

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 加齢に伴う食塩感受性高血圧発症機序の検討2018

    • Author(s)
      河原崎和歌子
    • Organizer
      第61回日本腎臓学会学術総会
  • [Presentation] 加齢に伴う食塩感受性高血圧発症におけるKlotho-Wnt-Rho pathwayの関与2018

    • Author(s)
      河原崎和歌子
    • Organizer
      第41回日本高血圧学会総会

URL: 

Published: 2019-12-27  

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