2018 Fiscal Year Research-status Report
Genotype and phenotype analysis in arrhythmia induced or related cardiomyopathy
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18K08035
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大谷 朋仁 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (30623897)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 心筋症 / 不整脈 / 頻脈 / ミトコンドリア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、頻脈性または頻発性不整脈による心筋への影響が心筋に関連した遺伝的素因により個人間で異なるとの仮説のもと、心筋症患者を対象に不整脈と心機能低下との関係を後向きに解析し、ゲノム解析情報や心臓超音波指標や光学および電子顕微鏡を用いた病理評価法を用いて検討するものである。初年度の本年度は、心筋症患者で最適化治療をうけ左室のリバース・リモデリングを評価しえた210名で不整脈の詳細情報を含めた臨床情報を収集した。46例で有意な不整脈(心房細動38例)を、34例で頻脈を認めた。心房細動の有無とその後の左室駆出率の改善率に差異は認めなかったが、頻脈症例ほど、その後の左室駆出率の改善量が大きく、補助人工心臓の装着例においても同様であった。これらの情報に基づき抽出した症例から新たに血液検体を採取し、ゲノム変異情報の解析を開始した。次年度は、これらの解析結果と頻脈を有さない心筋症関連症例約300例とで検討し、健常人ゲノムバリアントデータベース参照による疫学的観点からも検討をすすめる予定である。また、本年度は、GLSパターンを含めた心臓超音波検査指標、99mTc-MIBI核医学検査による指標と心筋可塑性について検討し、ミトコンドリア機能を反映する99mTc-MIBI核医学検査による指標ではwashout rateが心筋の可塑性と関連したとの結果から、心筋生検による電子顕微鏡標本でのミトコンドリアの評価およびwashout rateと不整脈、頻脈との関係について検討を始めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、計画に基づき不整脈および頻脈の影響が疑われた症例の臨床情報の収集を行い、そのデータに基づいて血液検体の収集と、それらのゲノム解析を開始しているが、ゲノム解析のデータ分析がまだ終了しておらず結果に応じた症例追加の必要性の検討をなるべく早く行う。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度取得した臨床情報およびゲノム解析データを用いた検討をすすめていく。結果に基づいて、今後、症例数の追加の必要性を検討し、心筋可塑性に寄与する因子の同定に努める。また、より早期にそれらの候補因子が同定された場合には、生化学的、分子生物学的検討へうつることを目標に研究を進めていく予定である。また、引き続き、心機能低下や頻脈・不整脈に関連する臨床的・基礎的な情報収集も継続し、適宜、結果を取りまとめて成果の発表を順次行い、学術発表にも取り組んでいく予定である。
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Causes of Carryover |
本研究の経費のうち、今年度はまず臨床情報抽出とそれに伴うゲノム解析症例の選定を行ったため、当初予定していた病理評価解析は次年度に一部繰り越すこととした。
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Research Products
(4 results)